「文在寅は怖い」と韓国人が言う理由

2017.05.05 Friday 01:41
くっくり



 そのため、北朝鮮は、左傾民主主義を工作の中心に据えるようになります。

 そこで使われたのが反韓自虐史観です。

 反韓自虐史観とは、ざっくり言うと……
 (以下、李栄薫ソウル大学教授の説明)

【日本併合時代に民族の解放のために犠牲になった独立運動家たちが建国の主体になることができず、あろうことか親日勢力がアメリカと結託し国をたてた。
 そのせいで、「民族の正気がかすんだ」。
 民族の分断も親日勢力のせいだ。
 解放後、行き場のない親日勢力がアメリカにすり寄り、民族の分断を煽ったのだ。
 生き残った親日勢力が主体となって国家建設を行ったのだから、そんな国がうまくいくわけがない。
 今日までの政治が混乱を極め、社会と経済が腐敗したのもすべてそのせいだ】

 この歴史観に立つから、抗日武装闘争をした金日成が民族の英雄になり、朴正煕大統領は日本軍人出身だとして「親日勢力」の代表として非難されることになります。

「少し上の世代である文は、80年代に弁護士として過激な活動家の弁護をするなかで、その思想を身につけていったのではないか」

 というのが、西岡力さんの見立てです。

 北朝鮮は韓国を植民地半封建社会と規定し、まず米国帝国主義とそれに規制する親日派勢力を打倒し、地主を追い出して農民を解放、その後、社会主義革命を行うという二段階革命論をとってきましたが、この北朝鮮の歴史観と同じ立場だというのです。


 文は大統領選挙に向けて、今年1月に『大韓民国が尋ねる、完全に新しい国、文在寅が答える』という単行本を出版しました。
 【追記17/5/6:この単行本は文在寅の支持者である作家の質問に文が答える形式】

 そこでは繰り返し、「自分が政権をとったら親日派を清算する。韓国の主流勢力を交代させる」と書いていて、まさに反韓自虐史観そのままの主張をしているそうです。

 文によれば、韓国人はそれができる機会を二回ほど逃してきたのだと。

 一回は解放(日本の敗戦)の時。
 この時、親日の歴史が清算されず、親日勢力が解放後も依然として権力を握り続けた。

 もう一回は1987年6月、大規模な街頭デモにより大統領直選制が実現した時。
 それ以後、すぐに民主政府が樹立できなかった。

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