緊迫する北朝鮮情勢と語られない拉致被害者

2017.04.08 Saturday 01:34
くっくり



 ありていに言えば、「平和ボケ」ってことですね(T_T)

 さすがに日本のテレビも、4月5日の北朝鮮のミサイル実験、「武力行使の選択肢もありうる」と匂わせる米政府要人らの言動、それに続く4月7日〜8日の米中首脳会談など一連の流れを受けて、少しは報道するようになりました。

 が、そこで拉致被害者について語られることはほとんどありません。
 私はこれはとてもおかしなことだと思います。

「朝鮮半島有事になったら韓国経済が大打撃。そうなれば日本経済にも影響が…」
「韓国には日本人もたくさん住んでるし、旅行者もいるから心配ですね…」

 こういう話はよくするのに、北朝鮮に囚われたままの日本人のことはスルー。

 経済ももちろん大事でしょうよ。
 韓国在住の日本人の命ももちろん大事でしょうよ。

 でも、まずは当事国であるところの北朝鮮、そこに閉じ込められたままの日本人について、真っ先に思いを致すべきではないでしょうか。

 何かずれてませんか?
 日本のメディアも、メディアに携わっている人たちも。
 ……ひょっとして私の感覚の方がずれてるのかしら?

 いや、メディアだけじゃありません。
 政治家も拉致被害者の話は特段していないように見受けられます(誰かしてたらごめんなさい)。
 国会では取り上げているのかもしれませんが、少なくとも現時点で報道ベースには乗ってきていません。


 メディアの感覚のずれといえば、たとえば敵基地攻撃能力をめぐる議論についてもそうです。

 4月6日の「報ステ」では、「本当に必要ですか?敵基地攻撃能力」という小特集をやってたんですが、もう平和ボケの極致でした。

 ジャーナリストの後藤謙次氏はこう解説しました。

「今なぜこの問題が浮上してきたかというと、北朝鮮の相次ぐミサイル発射、核実験によって、議論しやすいという環境がある。それに向けて、戦後一貫して積み上げてきた専守防衛という大原則に対して、国民の意識の転換を図るという狙いもある。思い出すのは、中曽根内閣の官房長官の後藤田正晴さん。口癖のようにおっしゃってたのは、蟻の一穴という言葉。安全保障も、たったひとつの選択が大きな日本の国家の運命にも直結してくるんだと。後藤田さんの言葉を思い出して、この議論は慎重に慎重を重ねるべき」

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