明治初期の日本を旅したイザベラ・バード「日本紀行」を漫画化!「ふしぎの国のバード」

2017.04.06 Thursday 00:39
くっくり



 年少の生徒は主に実物教育で学び、年かさの生徒は地理や歴史の教科書を声を出して読む練習をします。漢字もかなも甲高くてひどく耳障りな調子で読みます。ほかに算術と自然科学分野の初歩も習います。子供たちが朗読している詩歌は、わたしの理解したところでは、簡単な五十音図となっていました。訳すとつぎのようになります。

「色と香は消えてしまう。
 この世にずっと残るものがあるだろうか。
 きょうという日は無の底に消えてしまう。
 束の間の夢のようなものにすぎず、わずかな苦しか生じさせない」
[色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ
 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず]

「イザベラ・バードの日本紀行(下)」より
 宣教師の妻であるギューリック夫人と奈良の長谷寺を訪れた際の記述

 あまりに不意のことで、外国人のよく旅する道からはあまりに外れた場所でもあったのですが、わたしたちはそうとは知らないまま、日本で最も知られ、詩歌や絵画で讃美されている名所のひとつ、多くの巡礼地でも最も人気のある場所のひとつに来ていたのでした。

 美しい長谷寺!十一月の雨の降るそのえもいわれぬすばらしさは決して忘れないでしょう。わたしたちは跳ねを飛ばしながら泥と水をかき分けて進み、山を登り、寺院を見て、空腹や濡れた服のことを忘れ、しばらく留まりました。

 というのもこの壮麗な谷において、自然はその最善を尽くし、遠い島の美を真似ているのです。轟音をあげる山川(やまがわ)[訳者注:初瀬川のことか]が泡立つ広い流れとなって走る裂け目をのぞきこみ、また楓で燃えるような対岸の険しい山を眺め、わたしたちは同時に叫びました。「ハワイの渓谷にそっくり!」と。


 「ふしぎの国のバード」第3巻に、小さな冊子が折り込まれていました。

 そこには、作者の佐々大河さんと、同じ漫画誌「ハルタ」で「乙嫁語り」という作品を発表している森薫さんの対談が載っています。

 佐々さんの歴史観が現れていると思うので、少し紹介しますね。

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[Serene Bach 2.04R]