文化財修理予算と中国産漆はどうなった?…英国人社長の闘い【続報】

2017.02.23 Thursday 01:20
くっくり



 具体的な額は、
 本予算で約106億円+補正予算で23億8千万円=合計約129億8千万円

 この額が、文化財の修理に充てられます。
 3年前(2014年度)と比べると1.6倍です。

 先ほど書いたように、試算では200億円必要ということなので、まだまだ足りませんが、それでも大きな進歩です。
 ご本人も、「いままで少ない予算でやってきただけに、嬉しい限りです」と喜んでおられます。


 もうひとつ嬉しい話があります。

 これまで文化財行政には「見た目を気にする」という概念がなかったのですが、昨年(2016年)からは美装化予算として2億円が充てられているそうです。

 これは非常に画期的なことだそうです。

 なぜかというと、これまでは、柱が歪むとか雨漏りするとか、建物に致命的な問題がない限り、国は補助金を伴う修理をしない暗黙のルールがありました。

 だから、漆や彩色が取れてしまって非常に見苦しい状態の場合も、あるいは建物の一部分だけの修理についても、修理することができなかったんだそうです。

 美装化予算がもたらした効果について、アトキンソンさんはこんな実例を紹介されています。

 昨年、日光東照宮の「眠り猫」の額部分の彩色が取れてしまったので、修理が行われました。
 画像は、修理を終えて公開された「眠り猫」。

image[160222-01nemurineko.jpg]

 「見ざる言わざる聞かざる」でおなじみの「三猿」も同様です。
 欄間(らんま)彫刻に彩色したものですが、色褪せがひどかったので、現在修理をしているそうです。

 これらは、以前であれば、すぐに修理することはできなかったものです。
 どんなに観光客が多くても、建物には影響はないと見なされ、補助金が出なかったからです。

 美装化予算がついたおかげで、このように今まで見過ごされてきた建物の一部分の修理ができるようになったのです!\(^o^)/

★参考リンク
「眠り猫」「三猿」の重点的修理のお知らせ(日光東照宮サイト 2016年06月15日)

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