米大統領の権限が弱いことを日本の政治評論家も学者もよく分かってない…青山繁晴「虎ノ門ニュース」

2017.01.30 Monday 20:22
くっくり


 それだけで、合衆国憲法はどう読んでも、大統領の方から積極的に仕掛けることはできない。

 でも、それだと議会の力が強すぎて、大統領が仕事ができないから、逆に大統領がこれをやりたい、オバマケアも含めて、あれやりたいこれやりたいというのを出すようになって、実は今、アメリカ政治の問題になってる。
 権限がはっきりしない、と。
 だから、トランプさんだから何でもできるってことではなくて。

 上院の、今ねじれがなくなって上下両院は共和党ですけど、共和党の上院の中にトランプ嫌いがいっぱいいる。
 ジョン・マケインさんとか、特に尊敬されてる人も。
 ある意味、大統領を超える影響力を持っている、少なくともワシントンD.C.のあたりでは持っている。
 だからトランプさんは、ワシントンはけしからんとずっと言うわけです。

 そういう背景があることを分かるためには、アメリカ大統領の権限って何かというのを、先ほどの核のボタンも含めて、現場を知ってないと話にならない。
 日本の地上波のテレビは本当にいい加減で、それを知らないまま…。

 合衆国で大統領が何でもできるわけじゃないというのをよく考えるのと、それから逆に言うと、天皇陛下(元首)の役割を兼ねてる存在だということが、いかに深刻なことか。
 トランプさんが下品な言い方したり、就任演説でも、ちょっと耳を疑った言葉が出てきた。
 アメリカ人はみんなびっくりした。

※耳を疑った言葉について、起こしは省略しますが、(2)トランプ大統領 就任演説 のパートで解説があります。
 ひとつは、「This American carnage stops right here and stops right now.」の「carnage」。
 これは「大虐殺」という意味で、戦争で無茶苦茶に殺しまくったと聞こえる。
 もうひとつは、「We must protect our borders from the ravages of other countries making our products, stealing our companies, and destroying our jobs. Protection will lead to great prosperity and strength.」の、「from the ravages of other countries」。
 他国が侵略しまくる、殺しや略奪、無理無体なことを全部含めて奪い尽くすという意味。
 「他国」には日本も含まれている。ふざけんじゃねぇと。
 書いたのは、31歳のスピーチライター。

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