米大統領の権限が弱いことを日本の政治評論家も学者もよく分かってない…青山繁晴「虎ノ門ニュース」
2017.01.30 Monday 20:22
くっくり
だから、まずこの誤解を解いとかなきゃいけないのは、アメリカ合衆国で一番強いのは議会で、それも上院です。圧倒的に強い。
日本で言ったら参議院。でも参議院は圧倒的に弱い(笑)。
日本国憲法にも衆議院優越の原則が盛り込まれてる。参議院はご意見番。
安倍政権が組閣する時、閣僚プラスアルファ、全部総理が決める。それで成立ですよね。
内閣改造する時に、たとえば居島さんという民間人を持ってくる、それで決まりですよね。
あとは宮中に行って、天皇陛下の前に進み出てっていう手続きがあるだけで、陛下に権限ありませんから、総理が全部決められる。
これを(閣僚を)大統領が決められるか?
全くできない。
海兵隊の出身だったマティスさん、マッドドッグ(狂犬)と言われながら、国防長官になる。
それからティラーソンというエクソンモービルの経営トップだった人が国務大臣に、というので今、議会で説明してる。
で、その時にトランプさんが言ってることと全然違う話をするでしょ。
どうしてかというと、トランプさんの言ってることを議会で言ったら、上院が認めてくれないから。
上院が認めないと、閣僚を任命できない。
どれだけ上院の権限が強いか。
トランプさんは今、ツイッターで外交をすでにやっている。
外交ですごく権限があるように思われるが、「ひとつの中国って知らない」と口先で言うのも大事だけど、基本的には条約を結ぶ。
この条約を大統領が結べるか?
条約を締結する権限はあるが、これも上院の承認がないとできなくて、しかも条約については上院の過半数あってもだめで、3分の2以上が認めてくれないと、いかなる条約も成立しない。
上院議院が実は国の最高権力。
これに対抗しないと大統領は仕事できないから、やたら乱発するようになってるのが大統領令。
実はアメリカのような法治国家でも、この大統領令っていうのがどういう権限なのか、だんだん分からなくなってきてる。
本来は、合衆国憲法に盛り込まれてるのは、大統領令を大統領は出せるけれども、議会の立法権を侵すなという意味のことが書いてある。
するとどうなるかというと、本来の憲法の定めだと、要するに大統領令っていうのは、拒否できるだけだと。
議会が作った法律が気に入らないと、拒否できる。拒否権。
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