【現代文】GHQ焚書「敗走千里」より支那軍の実態
2017.01.26 Thursday 02:15
くっくり
実は、父親は連行されていった自分を救うために、一万元近い金を要路の人にばらまいていたのです。そのお金は無論、王祥謙の懐にも多少は入っているだろうということも……。中国の賄賂社会は今も昔も変わらずのようです。(p.95)
さて、「強制徴募」の回想が終わり、話はまた戦場(塹壕)へ。
陳子明は王祥謙から大変なことを聞きます。
陳のような日本への留学経験者だけでなく、事業に携わっていた日本からの帰国者が50何人か、漢奸(かんかん)*5の名で銃殺されたと。しかも何の証拠もなく、ただ日本にいたというだけで……。王は陳に「お互いに気をつけよう」と言います。(p.89)
さらに王祥謙によれば、●勲(ホウシュイン。●=广+龍)中尉は「救国抗日団」の回し者で、「彼にはなるべく近寄るな。下手をすると、漢奸の名でやられるぞ」とも。(p.109)
*5 漢奸(かんかん)=本来漢民族の裏切者・背叛者のことを表す。日中戦争中及び戦争終結後には日本への協力の有無に関わらず、日本について「よく知っている」だけの中国人でも「漢奸」として直ちに処刑されたり、裁判にかけられた。また日本に協力する者であれば漢民族でなくても「漢奸」と呼称した。
この後、李芙蓉が再登場します。●勲中尉の愛人としてです。
王祥謙上尉と●勲中尉はもともとしっくり行っていなかった上に、李芙蓉の登場で、彼女をめぐりさらに反目し合うことになります。
この李芙蓉という人は美しく、しかも聡明で度胸もある人ですから無理もないのかもしれません。
ついでに張開元もしつこく李芙蓉を狙いますが、彼女の「手を握った」ことにより(本人がそう主張しているだけで、陳は「あの張が手を握っただけだって?」と疑問を呈している)、兵隊や慰労隊の女たちにボコボコにされてしまいます。(p.115-117)
張開元のこの事件がおそらくは引き金となり、張や陳子明が所属する王祥謙の中隊に対し、直ちに前線に出動せよと連隊長から命令が下ります。これはほとんど「死」を意味します。
王祥謙は●勲の密告と捏造が原因だと断定し、「自分の死ぬ前に●勲をやっつけてやろう」と決意を固めます。
たとえ密告がなかったとしても、欧米派の●勲と知日派の王祥謙との対立はいかんともしがたいものでした。そう、●勲はアメリカ士官学校の卒業生なのです。
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