【現代文】GHQ焚書「敗走千里」より支那軍の実態

2017.01.26 Thursday 02:15
くっくり


 「漢奸!」叫ぶなり、その男は立ち上った。(p.280-281)

 要するに、「日本を侵略者と言うなら、イギリス、アメリカ、ロシア、フランスなどの欧米列強だって侵略者だろう」と。GHQにとって、これは最大級に不都合な記述ではないでしょうか。

 さて、物語に戻って、●勲と王祥謙の決着です。
 李芙蓉の立案により、王祥謙と部下らはついに●勲を襲い、殺害します。
 そして夜襲開始の時刻(午前0時)が刻々と近づきます。

 陳子明だけでなく張開元も逃亡する気満々で、張の残忍さがまたここで明らかになります。
 張は予め用意してあった便衣に着替えます。その上、死体収容の際に上手くせしめたであろう拳銃まで持っています。
 張は逃げるためなら仲間の殺害も厭わないという決心をしており、さらに前から狙っていた李芙蓉をさらって逃げることも計画しています。

 ところが邪魔な相手が現れます。確認するとそれは陳子明で、ちょうど李芙蓉ら慰安隊と一緒にいるところでした。
 陳とは毎日顔を合わせて家族のような親しみさえ感じていた仲なのに、張の顔に浮かんだものは「何だ、あいつか」といった鉄のように冷たく固い表情でした。

 便衣の男に拳銃で狙われていることに気付いた陳は、それが張だと分からぬまま反撃、殺してしまいます。倒れた男を確認し、それが張だと知って驚く陳……(実はこの頃には夜襲の開始時刻をとっくに過ぎています)。(p.296-300)

 夜が明けたあと突如戦闘が始まります。
 激しい戦場の中、陳子明は李芙蓉の手を取り、二人の逃避行が始まります。

 第一線からの退却兵とともに彼等は夢中で逃げます。
 督戦隊が現れて、味方をどんどん機関銃で攻撃してきます。見る見る間に死体の山が高くなり、敗走の激流は阻止されます。督戦隊も止まりますが、いったん止まっただけで、またいつ始まるかわかりません。

 日本軍の砲撃は続きます。このへんの描写、すごいです。恐ろしいです。多くの兵が無残に死んでいきます。
 ある者は死を装い、ある者は死体の山の奥へともぐり込む。炸裂する弾から身を守るには、それより他が方法がないのです。
 陳もそれにならいます。どんな方法を講じても生き残りたい!と。

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