【現代文】GHQ焚書「敗走千里」より支那軍の実態

2017.01.26 Thursday 02:15
くっくり


 「馬鹿なこと言っちゃいかん。俺はこれでも中央軍の軍曹だ!」と、そっくり返るのだ。
 が、そんな威張り返った口の下からそろそろと、本音を吐き始める。
 「だが、例え行ったにしたって、手ぶらで行ったんじゃただの兵隊にも使っちゃくれめえ、ちゃんとした鉄砲か、機関銃でも持ってけば格別だがな」(p.239-240)

 さて、李芙蓉は、王祥謙上尉から今度は何と陳子明に乗り換えます。
 李は「金阿貴さんの遺品よ」と絹のハンカチを陳に渡しますが、そこには「愛する者へ」と書いてありました。実はこれは金の物ではなく、李の陳への求愛の品だったのです(それにしても何て節操のない女なんだろう(T^T))。

 その後、李芙蓉をめぐる●勲と王祥謙の争いがついに終焉を迎えます。
 王祥謙の第十中隊に限定してまたしても夜襲命令が下りました。これもまた●勲の差し金らしい。

 みんな、「今夜こそ死ぬかもしれない」「こんな理不尽な命令にも従わねばならないのか」と絶望感に打ちひしがれます。

 「こんな戦争なんて、一体誰が始めたことなんだ」
 鬱憤(うっぷん)の持って行き場のない彼らの一人は、遂にはそうした戦争そのものに対する疑問の言葉を投げつけた。
 「誰が始めようとそんなことは構わんさ。戦争そのものが民衆に取って意義があるもんならな」誰かが応じた。
 と、初めの男がやり返した。
 「じゃ、この戦争は民衆に取って一体どんな意義があるんだ。聞かしてくれ……俺には分らん。俺は今まで何にも考えずにやってたんだ」
 「そりゃ迂闊だな。そんなことなら、そこらにごろごろしている兵卒だって知ってるぜ」横から、別の男が冷笑するような口調で言った。「つまり、帝国主義的侵略者打倒の為の戦争じゃないか」
 初めの男が、苛々(いらいら)したようすでその声の主の方に膝(ひざ)を向け直した。
 「君はそんな観念的な一片の訓示で、貴重な生命が投げ捨てられるのかね……ふっ、お安い生命だ。せいぜい大安売りするがいいでしょう」
 「なに、何だって? 君は僕を侮辱する気なのか。君が何にも知らんと言うから教えてやったんだ。それを……」
 「いや、有難う……じゃ、ついでにもう一つ教えて頂こうか。イギリスや、アメリカや、ロシヤや、フランスや、そう言った国は侵略者じゃないのかね……日本一国を眼の敵にして……」

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