ジョン・レノンと靖国参拝と神道

2016.11.26 Saturday 00:57
くっくり



 ジョンは加瀬さんに「神道の森は素晴らしい。キリスト教の教会は街の中にあって、周りに自然が少ない」と話していたそうです。

 加瀬さんはジョンに神道の自然観を説明したのですが、その時、イギリス出身者なら誰でも親しんでいる「クマのプーさん」の話をしました。

 プーさんは森で、少年や動物たちと「平等の仲間」として楽しい日々を過ごしている。

 日本人にとっても、動物から草木に至るまでの全てが仲間だから、人間中心主義を戒めるかのようなプーさんの物語は神道に通じる。

 そういう話をしたところ、ジョンは、我が意を得たりとばかりに目を輝かせ、「その通りだ」と言ったそうです。

 「いただきます」「ごちそうさま」といった、日本人の価値観を感じさせる、英訳が難しい言葉がありますが、ジョンはそうした言葉も好きだったそうです。

 これらの言葉は神道の教えにも通じるものですが、ジョンは特に「おかげさま」という言葉が良いと言っていたそうです。

 「おかげさま」には、森羅万象に対する感謝の気持ちを表す語感を含まれています。

 「ジョンは優れた詩人だったから、森羅万象に対する感覚が鋭敏だったのだろう」と、加瀬さんは述べています。


 ジョン・レノンの有名な曲といえば、『Imagine(イマジン)』が真っ先に浮かぶ人も多いでしょう。

 私もそのひとりです。

 加瀬さんの解説では、『イマジン』の「想像してごらん、天国なんてないんだと」「僕らの下には地獄などなく、ただ空があるだけ」という歌詞は、明らかなキリスト教への批判で、過激なものだそうです。

 宗教=「レリジョン」の語源のラテン語には「縛る」という意味があるため、一神教が人を必要以上に縛り、人による自然支配を肯定している。

 そのことにジョンは違和感を覚えていたのだろうと。

 そう言えば、ジョンは、キリスト教にまつわる発言で論争を引き起こしたこともありましたっけ。

 一方、多神教の神道では、自然の細部に至るまで神が宿り、人は自然の一部でしかありません。

 聖書のような教典も存在しないため、「縛る」要素も少ない。

 そこで加瀬さんは、「『イマジン』は神道の世界を歌っているのではないか」と尋ねたところ、ジョンは賛同してくれたそうです。

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