日本のメディアが伝えない北方領土の現状
2016.11.24 Thursday 01:37
くっくり
テレビの報道番組などで流れる北方四島の映像、たとえば街並みとか、ロシア島民のインタビューなどを見ても、そんな気がしてしまいます。
でも、実際はかなり違っているみたいですよ。
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東海大学海洋学部教授の山田吉彦さんが、「WiLL」2016年12月号に、【この目で見てきた北方領土の現実】と題した論説を寄稿されています。
これを読んで、目から鱗でした。少なくとも私は。
山田さんは2006年に択捉島と国後島を訪問して以降、学術研究者として返還運動に携わり、今年7月までに6度、北方四島に足を踏み入れ、その変遷を確認してこられました。
その山田さん曰く…
「日本のメディアで伝えられるのは、取材を許可するロシア側によって意図的に作られた北方四島の姿であり、必ずしも実態を表していない」
どういうことなのか。
山田さんの報告を箇条書きにしてみます。
●ロシアが国家予算を投入して大規模な開発を行っていると報道されるが、その実際の金額は07年から15年までの9年間に約500億円。この金額で2カ所の国際空港、3カ所の港湾、学校、病院、発電所、道路建設、水道等を建設することは不可能。
●国後島は新規の建設が多いというが、2015年に新築された総床面積は7600平方メートル程度で、東京駅の丸ノ内駅舎の3割程度にしか過ぎない。
●北方四島をビザなし交流で訪問した人の多くは「北方四島はすでにロシア化されている」というが、およそ70年も実効支配され、ロシア系住民しか存在せず、ロシア政府が行政権を握っているのだから、社会や文化がロシア化するのも当然。見方を変えると、日本に返還されれば時間が経過するとともに現代の日本社会に同化するだけ。
●北方四島にはすでに3代にわたって定着し、生活を営むロシア系住民がいる。その処遇について心配する人もいるが、現在、北方四島で暮らす約1万7000人のうち、返還後も定住を希望するロシア人は1割程度であろう。また、その中には親日派も多く含まれ、日本人との共生も不可能ではない。
●国後島にはロシア正教の教会があるが、7000人を超える島の人口のうち、キリスト教コミュニティの中心である教会の信徒は70人ほどで、ミサに訪れるのは40人程度だと、この教会の神父は話していた。
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