日本のメディアが伝えない北方領土の現状

2016.11.24 Thursday 01:37
くっくり


 思い起こせば、9月2日、安倍総理はロシアでの首脳会談後、記者団に対して「手応えを強く感じることができた」と前向きな発言をしていました。

 プーチン大統領も「問題解決の適切な環境をつくることが重要」と述べ、決して後ろ向きではありませんでした。

 それもあって、日本では、「12月15日の山口県での日ロ首脳会談で一定の成果が出るのではないか」「少なくとも歯舞・色丹の二島は返ってくるのではないか」といった、楽観的な報道がなされてきました。

 それが一転、今回の会談後、安倍総理は「平和条約はそう簡単な課題ではない。一歩一歩進んでいかねばならない」と慎重な言い回しに変化。

 プーチン大統領も、歯舞・色丹の二島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言には「どのような根拠で、誰の主権の下に置かれ、どのような条件で返還するか書かれていない」と指摘。

 四島どころか二島すら返すつもりはないと言っているように聞こえますが、こうした発言は、日本での楽観的な報道を牽制する意味合いもあったとされていますね。

 さらに、会談から2日後の11月22日には、国後島と択捉島に地対艦ミサイルが配備されたという報道がありました(ロシア軍機関紙の報道としてインタファクス通信が伝えた)。

 年内に配備することは、3月の時点ですでに明らかにされていたそうですが、しかし、このタイミングで公表したというのは、やはり来月の会談を控え、「そちらの思うようにはいかないよ」と釘を刺す狙いだったのでしょうか。

 となると、11月20日の会談で具体的に何が話し合われたのかが、なおさら気になってきますね。

 11月21日の「虎ノ門ニュース」で青山繁晴さんが「僕のルートで確認した」として語ったところによれば、プーチン大統領は厳しい国内事情(岩盤の支持層である既得権益団体に配慮が必要であること)を安倍総理に説明し、四島はロシアのものであるとした上で、共同経済開発を持ち出したということでしたが…。


 この話はひとまず置いといて…

 皆様よくご存知の通り、北方領土は戦後70年以上にわたり、ロシアが不法占拠しています。

 その間、実効支配が進み、定住ロシア人もどんどん増え、もはや返還は難しいのではないかと、私たちは考えがちですよね。

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