日弁連「死刑廃止」宣言で思い出した本村洋さんの言葉

2016.10.09 Sunday 02:48
くっくり


 弁護士だって一人の人間。
 さまざまな考え方を持っています。

 ところが、日弁連は強制加入団体です。

 任意加入であれば、加入しない自由がありますから、どんな宣言を出そうと、思想・良心の自由に対する侵害にはなりませんが、強制加入ですから、脱会すると弁護士活動ができなくなります。

 強制加入団体であるにもかかわらず、思想・良心に関わることを多数決で決めようとした(実際に決めてしまった)。

 大会が紛糾するのは当然だし、そのことに私はささやかな希望を持ちました。


 日弁連も含め、死刑廃止論者が必ず引き合いに出すのが、次の2点です。

 ・世界では死刑廃止の国が増えている
 ・冤罪の人が死刑を執行されてしまう可能性がある

 これについては、堀内恭彦弁護士が明快に反論しています(産経 2016.10.5 21:55)。

【自国の刑罰をどう定めるかはその国の歴史・文化・国民感情に根差すものであって、日本には日本独自の「けじめ」をつける刑罰観がある。ことさらに国際社会に同調する必要はない。
 「冤罪」についても、神ならぬ人間が行う裁判である以上、冤罪の可能性がゼロになることはあり得ない。死刑囚だけに冤罪があるわけではない。また、「精密司法」と呼ばれる慎重かつ緻密な刑事裁判手続を誇る日本と、独裁国家や「逮捕、即死刑」のような未熟な手続・人権概念しかない国々とを同列に論じることもできない。
 さらに、犯罪被害者の遺族の多くは、「加害者に死をもって償ってほしい」「被害者の無念に報い、遺族がけじめをつけるためにも死刑は必要である」と訴え続けている。このような「被害者・遺族の人権」の視点は不可欠である】

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