昭和天皇崩御報道の“戦場”を描いた青山繁晴さんの「平成」が文庫で“復刻”!

2016.08.14 Sunday 03:16
くっくり




 『平成紀』が発行された3日後の8月8日、奇しくも、今上陛下が“ご譲位”報道に関連して、国民に対し、おことばを述べられました。

 おことばの中には、このようなくだりもありました。

【天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。
 更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、1年間続きます。
 その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。
 こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。】

 昭和天皇崩御の際に、陛下ご自身が体験なさったことやお感じになったことを述べられたと拝察しますが、『平成紀』では、まさに昭和天皇が重篤な状態に陥られていた期間に、国民の暮らしに及んだ“影響”も描写されています。

 たとえば、近年、メディアの“自粛”や“自主規制”が問題にされたりしますが、当時は今とは全く違う次元で、今から思えば、多くの国民が「何もそこまで…」と感じてしまうほどの、“自粛”が行われていました。

 天皇陛下も人間であらせられる。
 いつかはお亡くなりになる。
 その時、日本はどうなるのか。
 何が変わるのか、あるいは何も変わらないのか。

 多くの日本国民が当時、そんなモヤモヤとした、何とも言えない気分に包まれていました。

 あの頃、本当は何が起きていたのかを知りたい方に、とてもおすすめの本です。

 一方で、平成生まれの方や当時まだ幼かった方には、それプラス、当時の雰囲気を体感していただけるという意味でもおすすめです。

 今上陛下のおことばがあった直前のタイミングで『平成紀』が発行されたことに関連して、青山さんご自身は、ブログ 2016-08-08 20:40:08でこう述べておられます。


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