2016.08.14 Sunday 03:16
くっくり
あなたの会社や学校に「真昼の狂気」はありませんか。
この小説は、昭和天皇が崩御するとき国民の眼に見えないところで何が起きていたかを描いた小説です。
それを描くことによって、 私たちがいま生きている「平成」という時代はどういう時代なのかを、あぶり出そうと試みています。
そして、この日本にある「白昼の狂気」、日本の会社や学校に、あたりまえのような顔をして存在している狂気を描くことが、いちばん根っこにある狙いです。
私はテリー伊藤さんとの対談集「お笑い(バツ印)日本の防衛戦略〜テロ対策機密情報」を昨年10月に上梓していますから、書店によってはノンフィクションコーナーに間違って置かれたりしているようですが、純然たる文学作品、小説です。
私は、かつて共同通信政治部の記者でした。昭和天皇崩御のときに首相官邸記者クラブにいました。そのときに体験したことを元に書いています。
あのときのことに整理をつけて文学に昇華し、世に問うまでに、14年かかりました。
この小説は、単行本になるまえに「文學界」4月号に掲載されたのですが、作家の津島佑子さんが朝日新聞の文芸時評で「14年経って、ようやくに現れた証言」という趣旨のことを書いてくださっています。作者としてもそう思います。
あの当時、報道の現場にいた誰も、そのときに何があったかを書いていませんでした。
そして、この小説は報道の裏側を描いてはいますが、報道界の内幕を暴くことが目的ではありません。
この国の会社で働いている人、この国の学校へ通っている人、すべての人が言葉にできなくとも感じている「真昼の狂気」を描くことが目的です。
どうか一度、手に取ってみてください。
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