それでもオバマ大統領の広島訪問は良かったと思う

2016.05.28 Saturday 04:30
くっくり



 でも、実際、話だけではピンと来なかったりするんですよね。

 そんな私も、高2の修学旅行で長崎の原爆資料館に行った時、少しはピンと来ました。

 遺品を見て回るうちに、「現実に起きたことなんだ」という実感が初めて持てたというか、「この持ち主は、どれほど苦しんで亡くなったのだろう」と自然に想像したし、その結果、怒りや悲しみや恐怖、さまざまな感情が湧いてきたのを覚えています。

 NHKが事前にとっていた被爆者のアンケートでも、オバマ大統領に広島で何をしてほしいかという質問で一番多かった回答は、「原爆資料館の見学」でした。

  「原爆資料館の見学」88%
  「原爆慰霊碑への献花」81%
  「核兵器廃絶に向けた演説」68%
  「被爆者との対話」58%
  「被爆者への謝罪」14%

 「原爆資料館の見学」を挙げた人の中には「核兵器の怖さを目で確かめてほしい」とか「声なき無念を感じてほしい」といった意見があったそうです。

 逆に謝罪を求める声は少なかった。
 その理由を、広島市立大学広島平和研究所の水本和実副所長はこう述べています。

  「単純に忘れたとか許したのではなく、魂に染みついた悲惨な体験だから本当は許せないが、それだけでは前に進めないと悩んだあげくの結論だと思う」

 オバマ大統領の謝罪はなかったけれども、報道を見る限り、やはり多くの被爆者の方が「うれしかった」「ありがとう」と、前向きな感想を述べていました。

 過去にこだわりすぎたり、謝れと要求するだけでは、決して前には進めませんからね。

笹森恵子さん。「謝れって言うより もっと大事なことがある。オバマ大統領が慰霊碑を拝んで、資料館を見て、その時の気持ちを米国に戻って皆んなに伝えて欲しい。私一人が喋るよりもっと大きな力がある」と。未来を見据えた素晴らしい発言です。 pic.twitter.com/BDHmQkci2W

— あいさわ一郎 (@ichiroaisawa) 2016年5月27日


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