文革で食べられた人の家族と食べた隣人が今も同じ町に…福島香織さんの解説

2016.05.23 Monday 02:02
くっくり



 なぜなら、文革はまた起こるかもしれないという気分が、いま中国ではある。

 さすがに、道路に遺体が転がってて交通の妨げになるような、かつての文革のようなことは起きないとは思うが、それでも、何が起きても不思議ではない情勢だと思う。

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[広西チワン族自治区武宣の街並み(2016年5月8日撮影=AFP)]

 現在、文革について調べようとすると、いろんなタブー、資料の隠蔽がある。

 このまま放置すると、文革がなかったことにされたり、資料が改竄されたりする可能性もある。

 そうなっては被害者が報われない。

 階級の敵だと言われて、リンチで殺され、食べられた人の家族らは、食べた隣人らと同じ町にずっと住んでいる。

 補償は少し出たが、生活できる額ではなく、彼らは貧しいまま。
 しかも、見回すと自分の家族を食べた人たちがいる…。

 ほんの半世紀前の歴史。
 生々しい記録が残っている間に、ちゃんと保存しなければいけない。

 南京事件もちゃんと調べたら良かったのだが、できなかった。

 中国は戦後、閉鎖空間で、動乱があり、きっちり調べられなかった。
 当局もそれをしなかった。

 歴史の記録が失われているのは大変残念。

 でも、文革はまだ資料があるから、それを今のうちにやった方が良い。

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