オバマ大統領の広島訪問を基本的に歓迎します

2016.05.20 Friday 02:39
くっくり


 彼らの認識は、80年代とさほど変わっていないと思います。

 アメリカでは、今も半数以上の国民が、「広島・長崎への原爆投下は正しかった」と考えているそうです。
 戦争の早期終結のためにはやむをえなかったことで、必要悪であったと。

(実は私も若い頃、そう思っていた時期がありました。刷り込みというのは恐ろしい!)

 ただ、そのアメリカも、若い世代だけを見ると、「原爆投下は間違いだった」という声が逆転しているそうです。

 このように、歴史認識や価値観というものは、時代・世代の移り変わりとともに変化していくことがあります。

 日本では、「オバマ大統領は謝罪すべきだ」「謝罪なき訪問だったらいっそ来ない方がいい」という意見もあるようですが*1、一足飛びに謝罪させようというのがそもそも無理筋だと思うし、まずは原爆の悲惨さを知ってもらうことが先決ではないでしょうか。

 その意味でも、現役大統領の訪問はやはり大きいと思います。

*1 たとえば青山繁晴さんは「オバマ大統領は謝罪すべき。謝罪が無理ならそれに代わる表現、すなわち2009年のプラハ演説で述べた『道義的責任(Moral responsibility)』をメッセージに盛り込んでほしい」という趣旨の主張をしています。

 日本は今後も、謝罪云々よりも、まずは核兵器の恐ろしさを理解してもらって、「原爆投下は間違いだった」と考えるアメリカ人が増えていくよう尽力すべきだと思います。

 そうすれば、やがて自発的にアメリカ側から謝罪の言葉が聞ける日が来ると、私は信じています。
 その日が、10年後なのか100年後なのかは分かりませんが…。


 ちなみに、私は日本が核武装がすべきどうかについては、長年ずーっと悩んでいます。

 理屈で言えば、「二度と落されないためには持つべきかもしれない」とは思います。
 一方で、「持とうとすれば国際的に孤立してしまう」という現実的な心配ももちろんあります。

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