東日本大震災5年…風の電話と、語り始めた子供たち

2016.03.11 Friday 02:09
くっくり


 取り残され、忘れることができない人びと……。

 3月1日放送の報道ステーションで、「語り始めた子供たち」という特集がありました。

 その中で、震災当時小学生だった男の子が、こんな話をしていました。

「津波に遭遇して、波に呑まれていく50代くらいの男性を見たけど、何もできなかった。自分はその男性を見殺しにした…」

「数日後にその男性のご遺体を見てしまった。見なければ、『どこかで生きているだろう』と勝手に思い込むこともできたのに…」

 彼はそのことをずっと胸にしまい込んできたけれども、最近、同年代の子らとともに、人前で体験を語り始めました。

 苦しさを吐き出したかったのと、自分の体験が今後何らかの役に立てばという思いが、彼を動かしたのだそうです。

 私は彼の話を聞いていて、「あなたは何にも悪くない!あなたは何にも悪くない!」と大きな声で言ってあげたい、そして彼を強く抱きしめてあげたいと思いました。

 もちろんそんなことでは、傷は癒えないだろうけど…。
 てか、こんなオバチャンに抱きしめられても気色悪いだけだろうけど…。

 と同時に、彼のように、人にはなかなか話せない辛い体験をして、苦しい思いを抱えている人たちが、今も被災地や避難先に大勢いるであろうことを想像しました。

 「風の電話」にすら、まだ話すことができない人たちもいるでしょう。


 阪神淡路大震災の時も思ったけど、個人というのは無力です。

 被災しなかった人間ももちろん無力です。

 気が焦るばかりで、何もできない。

 少しばかりの寄付を送ることと、あとは祈ることしかできない。

 3月11日、今日だけは、左も右も関係なく、心をひとつにしたい。

 どうか、どうか皆様が、平穏な暮らしと、幸せだと感じられる時間をより多く取り戻せますように…。


日本赤十字社は、東日本大震災義援金を今も受け付けています。

★3月11日限定ですが、気軽にできる寄付もあります。

【きょう3月11日は、Yahoo! JAPANで「3.11」を検索】https://t.co/28Wnmq19Re 震災から5年。「3.11」を検索すると、おひとりにつき10円が復興支援のために寄付されます。#検索は応援になる pic.twitter.com/45cKHkm9VA

— Yahoo! JAPAN (@Yahoo_JAPAN_PR) 2016, 3月 10


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