東日本大震災5年…風の電話と、語り始めた子供たち

2016.03.11 Friday 02:09
くっくり


 私はこれからの生活に全力を出して貴方の娘を守っていきます」

「会いたい 会いたい 会いたい」

「もう痛くないよね。
 苦しくないよね。
 お母さんがそっちに行ったらまたお母さんの子供になってね」

image[160311-04note.jpg]

 電話ボックスの中で大声で泣く人。

 一人静かにひっそりと帰る人。

 2回、3回とやってきて、やっと受話器を手に取る人…。

 「風の電話」を設置した佐々木さんは、訪れた人たちに無理に話しかけずに、静かに見守ってきたそうです。

 当初は「自分だけが助かって生きている…」と感情のコントロールできなかった人も、震災から時間が経つにつれ、気持ちの整理がつき、悲しみながらも、亡くなった方をいとおしむ気持ちに変わってきたのだとか…。

 2015年9月時点で、ボックス内に置かれたノートは2冊目。

 「見守ってほしい」と書く人が多くなったそうです。

image[160311-05NHK.jpg]

3月10日のNHKスペシャルは「風の電話」の特集でした。
 家族を大切にしようと、改めて思いました。
 再放送があります。
 3月14日(月)午前1時13分〜2時02分(13日(日)深夜)です。
 地域により日時が異なるかもしれないので、事前にご確認下さい。


 日本思想史研究者の先崎彰容さんが、産経新聞3月8日付「正論」に、こう書いています。

 人間は、自分の生活にとって切実な利害に関わらない限り、関心などそう容易に保つことができない。
 ただ2つの事実だけは指摘しておかねばならぬ。
 第1に、多くの人は天災や事故からの教訓は忘れやすいのに、風評被害だけは覚えていること。
 第2に、多くの人が忘れてもなお、取り残され、忘れることができない人びとが、この世には少数ながら存在するのだということを。


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[Serene Bach 2.04R]