産経新聞的ちょっといい話(2)(読者投稿欄より)

2015.10.31 Saturday 03:05
くっくり



 そんなある日、クラス内で弁当の盗難が起きた。事件を聞いた担任の先生は教壇で目を潤ませながら、私たちを諭した。

 「君たちは育ち盛りの食べ盛り。さぞかし白いご飯を食べたかろう。確かに日本は戦争に負けたが、精神は卑屈になってはいけない。渇しても盗泉の水を飲まぬ気概をもってほしい」

 先生は翌年、「教師としての信念と誇りを失った」と退職された。いまだにあのときの先生の姿と言葉が忘れられない。

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※戦後の食糧難の話は母親(1940年生)からさんざん聞かされました。父親(1935年生)は農家の子だったせいか、さほど苦労はしなかったようです。

【台湾で感激した敬愛の挨拶】
 2014.1.9
 主婦 三澤祐子(43)東京都大田区

 昨年末、台北旅行に出かけたときのことです。行天宮で現地に住む親友におみくじを翻訳してもらっていたところ、突然、「日本の方ですか」と声をかけられました。振り向くと高齢のご婦人が立っており、「ようこそ台湾においでくださいました」と深々とお辞儀をされました。

 恐らく日本語教育を受けた世代なのでしょう。微妙な間の取り方や敬語の使い方など美しい言葉遣いに加え、お辞儀の仕方にも日本に対する深い敬愛の念が感じられて感激しました。以前、夫の転勤で半年ほど台北で暮らしたことがあり、日本語を話せる人が大勢いらっしゃることは知っていましたが、実際に接したのは初めてでした。もう少しお話をうかがえばよかったと悔やんでいます。

 きっとあのご婦人は、戦後68年もの間、日本人を見かけると、心のこもった挨拶をしてきたのでしょう。日本をずっと愛してくださる台湾のみなさまに、改めて感謝したいと思います。

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※画像は台湾の行天宮。

【国旗・国歌への敬意に感動】
 2014.1.30
 国家公務員 田中克己(46)和歌山市

 先日、次女の高校の卒業式に出席した。会場に入ると、壇上には国旗と校旗が掲揚され、張り詰めた緊張感に包まれていた。

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