2015.08.15 Saturday 04:01
くっくり
作成にあたっては、国民の皆さまと共に、日本が目指すべき国家像を描くという意味で、できるだけ多くの国民と共有できるような談話を作って、そう心がけました。より幅広い国民とメッセージを共有するという観点からは、一部だけを切り取って強調することよりも、談話全体としてのメッセージをご覧いただきたい、受け取っていただきたいと思います。
先の大戦における行いに対する「お詫びの気持ち」は、戦後の内閣が一貫して持ち続けてきたものであると考えています。そうした気持ちが、戦後50年においては村山談話という形で表明され、さらに60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは引き継がれてきたと考えています。こうした歴代内閣が表明した気持ちを私の内閣においても揺るぎないものとして、引き継いでいく、そして、おそらく今後の内閣においても、そのことを今回の談話の中で明確にしたところであります。
次に、「侵略」ということばについてでありますが、今回の談話は「21世紀構想懇談会」において、有識者の方々が共有した認識、その報告書のうえに立って作成したものであります。その報告書の中にもあるとおり、中には「侵略」と評価される行為もあったと思います。だからこそ、談話においては、事変、侵略、戦争といったことばをあげたうえで、事変、侵略、戦争ということばをあげながら、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならないことを、先の大戦への深い悔悟の念とともに誓ったと表現しました。
先の大戦における日本の行いが「侵略」ということばの定義に当てはめればだめだが、当てはまらなければ許されるというものではありません。かつて、日本は世界の大勢を見失い、外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって打開し、あるいは、その勢力を拡大しようとしました。その事実を率直に反省し、これからも法の支配を尊重し、不戦の誓いを堅持して、ということが、今回の談話の最も重要なメッセージであると考えています。そのうえで、具体的に、どのような行為が「侵略」に当たるか否かについては、歴史家の議論に委ねるべきであると考えています。重要な点は、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない、ということであります。これが、私たちが過去から学び、教訓とし、反省すべきことであると考えます。
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