安倍総理の戦後70年談話はよく練られていると思う

2015.08.15 Saturday 04:01
くっくり



【我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。】

【私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。】

 また、次の2箇所は、「昔の中国人は寛容だったのに、今は狭量ですね」というメッセージが込められているような。

【中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。】

【戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。】

 そして、先ほど紹介したこの箇所は、中国だけでなく韓国への強いメッセージが込められてますよね。

【あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。】

 戦後70年にもなるのに、未だに難癖つけてくる中韓に対して、他の国々のようにそろそろ「寛容」さを見せてくれませんか?と言っているように思えます。


 過去の反省と同時に、未来に向けて日本が国際社会でどう貢献していこうとするかを述べる。

 と同時に、中国の「力で現状を変えようとする試み」にクギを刺す。
 さらに、いつまでも謝罪や賠償を求めてくる中韓にクギを刺す。

 そういう意味でも、よく練られた談話であると感じました。

 ただ、今後メディアが安倍談話を引用する時に、どの箇所を使うか。
 特にテレビ。

 毎年8月が来るたび、あるいは歴史認識で問題が発生するたび、テレビは村山談話を「振り返りVTR」の中で流してきました。

 今後、「振り返りVTR」として流されるのが安倍談話に変わったとしても、私がいま挙げた箇所などは無視して、「お詫び」とか、そこばかり繰り返し引用する(実質的に村山談話を「最上位」に置く)危険性はあるかもしれません。

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