「最近朝鮮事情」衆議院議員が見た20世紀初頭の朝鮮(1)
2015.07.27 Monday 01:19
くっくり
●だから常民共が王室を見ると旅人も同様で、王室に大事があろうが一向平気なもの、更に気にもかけない。かの二十七年の王宮の事変の時も、又三十七年、今の王宮である慶運宮が焼けたときでも、京城の人民等はガヤガヤ王門の外に集まって来て、例の長煙管で煙草をふかしながら、互いに笑いあい語り合うて面白そうに見物して居ると云う有様である。
●かく云う風で上のものも下のものも、皆唯自身の事ばかりを考えて、更に国家という観念は無い。朝廷ではドンドン租税も取り立てるが、それは国家の用にするのでは無い。国王も大臣も観察使も郡守も、皆自身の為のみを思い、吾が家を富まそうと勉めるのみである。
●常民もまた国の為など云う観念は毛頭も無いので、余計に儲ければそれだけ又余計に取り立てられて手元には残らないからというので、惰(なま)けれれるだけは惰け、遊ばれるだけは遊び、田や畑や山や林やなど、これを仕立てたり、手をかけて、確実な財産を作ろうなどという考えは無いらしい。この点が即ち朝鮮の今日の有様を致す所以であろうか。
image[150726-92ousitsu1912.jpg]
[朝鮮王朝第26代国王にして大韓帝国初代皇帝、高宗とその家族]
<朝鮮の裁判>
●朝鮮の裁判は地方の小役人や郡守県令などが賄賂を取りあげる第一の方法で、悉(ことごと)く皆、賄賂の多少で民事の勝ちまけも刑罰の軽い重いもきまると謂(い)うてよいので、総て刑事は明律及び特別に定められた法令により、又民事は大典会通並びに裁判先例によりて処断するというのは殆ど只表面のみの有様である。
●殊に小役人が賄賂をとる弊害は実にお話にならない程で、全く無罪の人でも時に捉え来たりて賄賂を責め、もし思うように賄賂を出さなければ、これを実刑に処することがある。又怨みを結んだ者に対しても時としてはこの忌まわしい手段をとることがある。
●近年になってはこれらの役得を測って、その金額を前納して、その賄賂のおかげで郡守県令になる者が多く、従って彼等はその償いを得る為に、罪も無い人民をヒドイ目に遭わす者があるようになった。
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