「最近朝鮮事情」衆議院議員が見た20世紀初頭の朝鮮(1)

2015.07.27 Monday 01:19
くっくり


 刊行された1906年頃の時代背景をざっと説明すると、前年、つまり日露戦争終結後の1905年11月、大韓帝国は日本と第二次日韓協約を結び、事実上保護国となっています。

 ジョージ・トランブル・ラッド博士の「1907 IN KOREA WITH MARQUIS ITO(伊藤侯爵と共に朝鮮にて)」image[]に描かれたのとほぼ同時期ですね。

 イザベラ・バードの「朝鮮紀行」image[]は1894年から97年にかけての記録なので、その約10年後にあたります。

 荒木五郎氏は京城(現ソウル)、釜山、仁川、元山など朝鮮の主な都市を見て回り、気候や政治、庶民の暮らしや文化などをつぶさに記録しており、当時の朝鮮の状況がよく分かる史料となっています。

 日本の庶民に「朝鮮ってこんな所ですよ〜」と紹介した紀行物という感じです。

 一方で、朝鮮の経済や商習慣、移住の心得なども事細かく書いてあり、これから朝鮮に渡って起業したり、商売を始めようとする人のためのガイドといった趣もあります。

 序文(荒木氏による自序)はこんなふうで……

【朝鮮経営は、日本人の天職たると共に、亦(また)日本国の生命なり。朝鮮経営の事、一日進めば百日の益あり。十歩遅るれば千歩の損あり。一時一刻是れ急なるの時、邦人の多く朝鮮の事情に明かならざるあるは、実に遺憾の極みにして、条約協商如何に完全なるも、事情に明かならざれば交渉密ならず…】

 ……現代日本人には取っつきにくく感じますが、どうかご安心下さい。
 本文は非常にくだけた文章になってますので(^_^;

image[150726-03photo.jpg]
[本書に掲載されている写真はこの2点だけ]

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