知られざる安倍外交の成果(2014 G7ブリュッセル・サミット)

2015.04.13 Monday 02:22
くっくり


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 ロシアのプーチン大統領を外して行われたこのサミットはウクライナ情勢が焦点でしたが、1日目から荒れ模様でした。

 1日目のワーキング・ディナーの冒頭、オバマ大統領が指示書のような「トリガー・リスト」と書かれた2枚のペーパーを首脳たちに配布したのがきっかけです。

 そこにはロシアのウクライナ浸食に対する各国ごとの対ロシア制裁が明記されていました。

 オバマ大統領は首脳たちに「責任をみんながもってほしい」と高飛車な物言いをしました。

 その押し付けがましい政策介入に、首脳たちは初めに戸惑い、まもなく不信感に変わりました。

 なぜなら、対露強攻策のアメリカと自国経済への跳ね返りに気をもむ欧州とでは、温度差があるからです。

 欧州がアメリカとともに経済制裁に踏み切れば、プーチン政権は必ず報復に出てきます。
 ロシア産天然ガスの供給をストップされたり、食品が主力の物流が止まったりしてしまいます。
 株価が下落すれば、ただでさえ苦しい欧州経済に影が差します。

 このように、G7サミットは米欧激突という険悪な雰囲気の中で始まりました。

 議長を務めるドイツのメルケル首相がただちに「それぞれ国によって事情が違う」と制裁に異議を唱えました。
 原発ゼロを打ち出したドイツにとって、ロシアの天然ガスが頼りです。

 イタリアのレンツィ首相も「我が国のエネルギーの大半はロシアの天然ガスに頼っている。おいそれとは応じられない」と反論しました。

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[画像右がファン・ロンパイ欧州理事会議長]

 ファン・ロンパイ欧州理事会議長(EU大統領と表現されることもある)も、「EUは28カ国あり、根回しが必要なのに、こんな紙切れを見せられては困る」と不満げに言いました。

 これにオバマ大統領は、「あなたはEUの代表だからそのぐらい決断できるだろう」と高圧的だったそうです。

 途端に気まずい空気が流れ、EU大統領は憮然としてそれきり一言も発しませんでした。


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