中国の新幹線・原発輸出に手を貸すのか?AIIB参加せず日本は自立を! 青山繁晴「インサイト・コラム」より
2015.04.01 Wednesday 19:48
くっくり
この習近平という人は、なかなかだと私はあらためて思う。政敵を全部粛正して、いろいろな目標に向かって着々と歩んでいるところを見ると、言われていたよりずいぶん手腕があるなという風に思う。
日本はアジアインフラ投資銀行に入るべきか。麻生財務相はいろいろなことを言っているが、要するに「ガバナンス」、銀行の枠組みがどうなのか、ちゃんとやれるのか、不透明なんじゃないか、というような文句を言い続けていればいいと私は思う。向こうの言ってきた枠組みに乗っかってこちらが意思決定する必要もべつにない。
中国には日本とアメリカを引き込みたいという思いも絶対にあるはず。引き込みつつ、要するに自分たちの思うようにやっていきたいということでもあるだろう。(簡単に乗っからなくてもいい?)その通り。この銀行の出資金は、まだドル建て。中国はゆくゆくはもっと自分たちの通貨で、というのもあるだろうがまだまだそこまでの力はない。だからそういうところで日本がかけひきをすればいいと思う。
ただ気をつけないといけないのは、ヨーロッパがこれに乗り始めている。やはり中国がアジアを中心にして、もっと経済的に、あるいは金融面での覇権を握ってくるとなると、日本にとってはもう直結してまずい。
それから近くの国々、東南アジアなどに対して、中国がより影響力を及ぼし始める。要するにインフラのためのお金を貸し付けるかどうかという、言ってみれば中国の思惑で進められるので。日本にとって非常にまずい状況が起きる。しかしヨーロッパにとってはそれはあまり脅威ではない。
それからたとえば習近平氏がドイツに行ったときだと思うが、中国の内陸部、たとえば重慶なんかとドイツを陸路でつないで、パイプをより太くしていこうなどと言っている。そうすると、ヨーロッパと中国はお互いに陸路で貿易をするのに安いコストでもののやりとりができるので、より良いというようなこと。それからイギリスはアメリカと非常に関係が深いように思われているが、筋金入りの金融国家。中国周辺でちょっと儲けられたらいいやという、金融資本家たちの思惑もある。またヨーロッパは安全保障上、中国との関係上脅威がない。
日本はちょっと勿体をつけつつ、でも向こう側の「バスに乗り遅れるよ」みたいな論調にあまり乗らずに。手を出すときは、中国の思った通りにさせないために手を出す。日本が都合の良いキャッシュ・ディスペンサーになっては絶対にいけない】
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