中国産漆に駆逐される国産漆!国宝守る英国人社長の闘いと日本人への提言
2015.02.09 Monday 18:32
くっくり
国産の漆は現在、年間1トンしか生産されていません。
価格の安い中国産漆(年間輸入量51トン)に市場をほとんど奪われてしまっています。
このままでは国産漆は中国産に駆逐されてしまいます。
本来は国が策を講じるべきですが、あろうことか文化庁は、日光東照宮、二荒山神社、輪王寺だけは例外として、指定文化財に用いる漆は原則3割国産、7割中国産を混ぜたものを使うよう仕様書で規定しているのです。
この規定は明治以降に作られ、中国産の使用を規定した背景は不明です。
この規定がなぜ放置されてきたのか不思議です。
問題意識はあるが行動を起こさない、日本人特有の事なかれ主義が背景にあるのではないでしょうか。
そこまで中国産漆にこだわるメリットはあるのだろうかと疑問に思い、自分なりに分析してみました。
中国産漆が安いのは確かですが、そもそも塗る際は薄く伸ばすので使用量は少なくて済み、すべて国産に切り替えても修繕費全体ではそれほど高くならないことが分かりました。
総費用は5〜10%上がるだけ。
文化財にはいちおう3割国産漆を使わなければいけない規定があるのでまだ良い方で、規定がないお椀やお盆など、伝統工芸品の世界はもっと深刻です。
京漆器の場合だとほぼ100%、中国産漆です。
使用している木も国産でないことがある。
何一つ、日本のものを使っていないのに「京」漆器と呼べるのか?
漆は管理が難しく、他国から持ってくると、どうしても国産よりもその点で劣ります。
漆には採れる土地によって特徴がある。
使う国で育った漆樹がいちばん適しているというのが私(アトキンソン)の見解です。
漆を国産化した場合の金額を試算したところ、1億3700万円の追加予算をとれば可能だと分かりました。
極端に価格が上がるわけでもなく品質も向上し、国産漆の需要にも貢献できます。
にもかかわらず、国産漆の使用促進を提案しても役人は動いてくれません。
「昔からの決まりだから」の一点張りで話になりません。
以前、「国産にした分の負担をこっちで持つので、国産漆100%でやらせてほしい」と役所に申し出た時も、「仕様書と異なるので」と拒否されました。
仕様書の問題は、役人が動かなければ業界内ではどうすることもできない。
[7] << [9] >>
comments (12)
trackbacks (0)
<< 朝日OB若宮啓文vs櫻井よしこ 朝日慰安婦誤報問題「プライムニュース」より
「アンカー」少女の覚悟がISILを追い詰め『百年』を動かす!クルド人による独立国家樹立へ? >>
[0] [top]