「逃げたとは書いていない」「強制連行とは書いていない」朝日知識人の騙しの論理!「WiLL」2月号より
2015.01.05 Monday 18:46
くっくり
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[朝日新聞2014年5月20日朝刊東京版一面。画像クリックで拡大]
山田 記事そのものについては、取り消しに値するような誤りはなかったと私は思っています。たしかに「所長命令に違反 原発撤退」という見出しは誤解を招きましたが、内容は事故で指揮系統が乱れて所長の指示に反する集団行動が起きてしまった、という事実を書いたものです。
あの記事を書いた特別報道部の記者とデジタル委員は、『福島原発事故東電テレビ会議49時間の記録』(岩波書店)という資料的にも価値のある本を出版するなど、これまでも地を這うような丹念な調査報道を行ってきた非常に優秀な記者です。
櫻井 あの記事は、記者の反原発イデオロギーに沿う形で書かれたものであるとの疑惑を強く抱かざるを得ません。同じ日の二面に、担当記者が「再稼働論議 現実直視を」として次のように書いています。
「暴走する原子炉を残し、福島第一原発の所員の9割が現場を離脱したという事実をどう受け止めたら良いのか」
「吉田氏は所員の9割が自らの待機命令に違反したことを知った時、『しょうがないな』と思ったと率直に語っている」
「命令違反」で「現場を離脱した」無責任な東電社員や下請け企業の従業員は信用できず、彼らが動かす原発の再稼働など絶対に許さない、という強い意思が読みとれます。
山田 櫻井さんがおっしゃるような「無責任な東電社員や下請け企業の従業員は信用ならない」など、記事にはどこにも書いていませんよ。記者は別に反原発イデオロギーを持っているわけでも、そんな思いであの記事を書いたわけでもない。記事の趣旨は、原子炉を制御する電力会社の社員が現場からいなくなる事態が十分に起こりうる。その時、誰が対処するのか。当事者ではない消防や自衛隊なのか。特殊部隊を創設するのか。それとも米軍に頼るのか。現実を直視した議論が行われないまま原発を再稼働していいのか、ということです。
櫻井 山田さんのおっしゃることは朝日知識人の典型的な騙(だま)しの論理で、私はいま、お話を伺っていて正直、腹が立ちました。たしかに言葉のうえだけを見ると、「東電は信用ならない」とは書いていないかもしれません。しかし紙面全体を読めば、明らかに「東電は信用ならない。そんな彼らが動かす原発など絶対に許してはならない」との印象を受ける書き方をしています。九割が現場から逃げたという…。
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