スイスが平和ボケ?

2014.05.26 Monday 17:20
くっくり



 じゃあスイスは左傾化していってるのか?となると、一概にそうとも言えないようです。

 たとえば、先ほどリンクを貼った【新戦闘機グリペン購入、否決(2014-05-18 17:48)】で紹介されているのは、

 「スイス軍は近代化されるべきであり、現代の脅威に対応すべきだが、そのための機能をグリペンは十分備えていない。機能面で疑いが残る」

 という技術関係者の声だったり、

 あるいは、左派の社会民主党の連邦議会議員の一人の

 「国民は軍隊そのものに反対しているわけではない。ただ、グリペン購入は無駄使いだと判断したのだ」

 という分析だったり。

 また、下の記事では各政党や団体の反応が紹介されており、スイスの軍事をめぐる現状が何となく見えてきます。

国民投票結果への反応 歴史上初めて軍隊が受けた国民からの「ノー」(2014-05-19 15:52)

 この中で、スイス士官協会(SOG/SSO)のドゥニ・フォワドヴォー会長が、面白い例えをしています。

 グリペン購入の拒否は、スイス軍を「盆栽軍隊」にすることだと。
 すなわち、スイス軍はその任務である「戦い方を知り、守り、助けること」ができなくなりつつあるのだと……。


 ちなみに、5月18日の国民投票では、「グリペン」購入問題を含めて全部で4つの案件が国民投票にかけられました。

 他の3つの案件と結果は以下の通り。

・世界一高額の法定最低賃金導入のイニシアチブ
 → 76.3%が反対し否決

・性的虐待者を教育現場などから追放するイニシアチブ
 → 63.5%の賛成で可決。

・家庭医促進を目的とした憲法改正案
 → 88%の賛成で可決。

 最後まで賛否の予想が付かなかった「グリペン」の案件とは違い、これらは予想通りの結果だったようです。

 「世界一高額の法定最低賃金導入」が否決されたことは、日本のメディアでも小さくですが報道されましたよね。


 最後に、やや余談になりますが興味深いのでご紹介。

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