2006.09.21 Thursday 23:26
くっくり
その手段として、国論分裂を誘う「靖国カード」は有用なはずだった。
最近公刊された日本嫌いの前中国国家主席の言行録『江沢民文選』でも、「日本に対して、歴史問題は永久に追及し続けろ」と加害者意識を利用するよう勧める。日本が何度も半島や大陸での行為に反省を表明しても、「謝り方がまだ足りない」とかさにかかる。
ところが小泉内閣の5年間は、中韓が靖国を取り上げて騒ぐほど、小泉支持が高まり、憲法改正への支持が増えていくという現象につながった。北朝鮮という無頼国家は、ミサイル乱射によって日本を含む周辺国を脅したつもりだ。
日本国民は逆に脅威をはね返す「ぶれない指導者」を渇望するようになった。それは多分に、北による拉致という戦後の太平を揺さぶる衝撃が、日本国民を覚醒(かくせい)させたからだ。日本国民は拉致被害者、横田めぐみさんのご両親から、苦難に立ち向かう「凛」とした態度を学んだのではないか。
ポスト小泉を視野に入れれば、拉致被害者とその家族を徹底支援した安倍長官に支持が集まる流れだ。
そのことに気づいた中国は、今年に入って靖国参拝阻止の一点突破から、日中の民間交流を重視する対日政策に切り替えた。韓国の盧武鉉大統領も、最近の演説で「靖国」をいわずに憲法改正の反対を強調したところをみると、その意識が強い。
学習できなかったのは、「安倍憎し」でコリ固まる一部の日本メディアである。それを信じた中韓がうかつともいえる。20日に事実上の安倍政権誕生ということになれば、外交的には中韓のおかげという逆説が成立することになりはしまいか。
だが、新政権の前途は厳しい現実が待っている。
北朝鮮はいまだ核実験を強行する振りをみせ、中国は歴史認識で日本を封じ、エネルギー確保のためなら手段を選ばない。北方領土を返さないロシアは、日本企業と約束した石油・天然ガス開発の「サハリン2」事業を簡単に破る国だ。
11月にハノイで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、新首相はさっそく首脳外交の洗礼を受ける。アジア外交はなにも中韓だけに限らず、東南アジアやインドとの協調が重要になる。国益激突の地平で演じる外交のリアリズムが不可欠だ。(東京特派員)
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