[総理初メッセージ]【続・紀元節】外国人から見た日本と日本人(38)

2014.02.11 Tuesday 00:51
くっくり



 それを海外に伝えていくべきなのに、日本人はPRが下手。そもそも日本人が日本の文化を知らなすぎます。

 「『漫画』なんか日本の文化じゃない」と語る人に、「では、日本の文化は何ですか。一つ二つ、説明してください」と聞くと、まともに説明ができません。茶道も書道もやったことがない、着物も着ることができない。何一つ日本の文化に触れていない。これでは、海外に向かって、日本の文化を語ることは出来ません。

 今の日本は迷っている、うつ病になっているかのようにも見えます。しかし、それこそ「己を知る」ということで、日本がこれから進むべき道はすでに日本の文化の中にあると思う。答えは目の前にあるはずです。

■坂根シルック=フィンランド生まれ。東京農工大学特任准教授。3歳から13歳までを大分で過ごす。85年に再来日、在日企業に20年勤務後、フリーの通訳・翻訳家を経て、現職に。メディアでも活動中。
「新潮45」2014年1月号【世界はだいたい日本の味方】より

 私だけでなく、周りの外国人の友人も、それぞれに好きな日本の文化があり、だからこそ「こんなに素敵な文化がありながら、どうしてそんなに西洋に憧れるのかわからない」という話をよくします。

 たとえば、日本の伝統色。日本人の肌の色、髪の色、目の色にあった、西洋にないバリエーションの色は、とても魅力的です。

 桜色、桃色、薄紅色、紅梅色、珊瑚色、鴇(とき)色……微妙な色味の違いによって、それぞれに綺麗な和名もついています。それらがすべて「ピンク」というカタカナ表記で済まされてしまうのは、すごく残念なことではないでしょうか。

 名前といえば、私が子どもの頃に聞いた「おさじ」「寝間着」といった優しい響きの言葉も、今ではそれぞれ「スプーン」「パジャマ」に取って代わられてしまった。

 大袈裟なようですが、そうやって少しずつ、日本のものが、どんどん西洋文化に侵されてしまった気がします。

 もちろん、もともと日本のものをベースに、他国の文化をうまく取り入れることで、素敵なコンビネーションが生まれる可能性もあります。でも、日本のものを西洋のものにそっくり置き換えて「新鮮で素敵!」というのは、なんだかとてももったいないなと思うのです。

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