循環の中の永遠…今年は伊勢神宮の式年遷宮の年です
2013.05.13 Monday 17:23
くっくり
さらに5年後、世界文化遺産の会議で来日したエジプト出身の世界銀行副総裁を案内した際、神々に食事を差し上げる「神饌(しんせん)供進の儀」に興味を示したそうです。
「イスラム教徒の副総裁も、この神事が毎日朝夕、千数百年も続いていることに驚いていました」
所さんの専門は平安時代の法制文化史ですが、伊勢の皇学館大に勤務していた昭和48年、『伊勢神宮』を著しました。
「古来の純朴な信仰によれば、人間にとって最高のものを差し上げると神々が元気になられ、人々に恵みがもたらされます」
その代表が毎日の食物だといいます。
人の食物をタベモノというのは、神々・自然からの賜(た)ぶ物(たまわり物)だから、だそうです。
タベモノへの感謝と祈願を込めて、神宮では毎年10月に神嘗祭(かんなめさい)を営みます。
「社殿も神宝も装束も一新して営まれる20年ごとの大神嘗祭が、式年遷宮の本儀にほかなりません。ですから、食前に『いただきます』と手を合わせるのも遷宮の心に通じます。こうした日常の文化を大切に守り続けたいですね」
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代々木八幡宮宮司の平岩昌利さん。
今回の式年遷宮には、今年3月まで9年間務めた東京都神社庁長として、募金活動などに深くかかわってきました。
「浄財を募ることは非常に困難が多いと思っていましたが、意外にも順調に集まり、日本人の心の底に染みこんでいる日本の伝統の力を実感しました」
その背景に、祖先を大切にすること、そして代々伝えられてきた自然や文化の重要性が認識されてきたことがあるのではないか、と指摘します。
「サンテグジュペリの小説『星の王子さま』には、『大切なものは目に見えない』という有名なメッセージがありますね。戦後、科学が万能とされ、目に見えないものを信じない風潮がありましたが、まさに目に見えない歴史や伝統の大切さに、若者を含め日本人が気づき始めていると思います」
ギリシャに旅行した際、廃虚となった大理石の神殿を見て思ったことがあるそうです。
「伊勢神宮の建物は風雪に弱い木造ですが、20年ごとに造り替えられることで今も残る。日本人は命をつなぐことで永遠性を維持する。そういう意味でも遷宮は大事な行事です」
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