真珠湾攻撃の日に特別攻撃隊について改めて考えてみる
2012.12.08 Saturday 02:04
くっくり
そして鉄郎にこう話すのです。
「地球人なら判るだろう。たとえ全滅を覚悟しても、敗れると思っていても、戦わなければならない時があるって事を!たとえ自分が蟷螂の斧にしか過ぎないと判っていても、我々は断固として戦う種族だという意志は、相手に伝わる。たとえこの星が全滅しても、我々宇宙に生きる生命体は、敵(かな)わずとも受けて立つ気力がある生物だと、相手に伝わるはずだ!それが後世、我々の子孫のためになると信じて…、必ず子供たちが侮(あなど)られない生命体として生きる事が出来ると信じて、我々は行く」
蟷螂の斧とは、大型の動物にとっては取るに足りない小さな小さなカマキリの斧、という意味です。
ナグロムジュニアは自分が蟷螂の斧であることを自覚しながらも、「だが、戦う意志は未来へ、巨大なものとして伝わる。意志も気力もない生命体に未来はない」と話し、最後に鉄郎を「君もくじけるな。頑張れ」と励ましたのち、故郷の惑星に戻り、再び出撃、そして散華するのでした。……
皆様、どうでしょうか。
ナグロムジュニアと特攻隊員が重なって見えませんか?
ナグロムジュニアのセリフには、西田中尉が遺した「われわれの生命は講和の条件にも、その後の日本人の運命にもつながっていますよ。そう、民族の誇りに……」という言葉に非常に近いものを感じます。
作者の松本零士さん(昭和13年1月生まれ)が特攻隊を意識してこれを描かれたのかどうか、私は読んだ当初は分かりませんでした。
が、今は、強く意識して描かれたに違いないという確信を持っています。
それは、『正論』2012年9月号の門田隆将さんのインタビュー記事(著書『太平洋戦争 最後の証言(大和沈没編)』にまつわるもの)の中で、聞き手で編集部の小島新一さんが、松本零士さんのこのようなコメントを紹介しているからです。
「『宇宙戦艦ヤマト』原作者の松本零士さんは、かつて弊誌でこう語っています。『今、惰眠を貪っているように見えるこの国が、それでもさほど世界から侮りを受けずに済んでいるのは、戦争末期の非情悲惨な状況下、究極の奮闘死闘を繰り広げて、その“命と死”をもって立ち向かった数多の戦士たち、日本史上最後のサムライの記憶と残像が、辛うじて面目を支えてくれるのだと信じている』と。平成12年6月号ですから、12年前のコメントです」
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