麻生さんが正式に出馬表明

2006.08.22 Tuesday 01:46
くっくり



 アイケンベリー・プリンストン大学教授の寄稿は、日本の首相が靖国参拝を取りやめさえすれば、中韓首脳会談の実現など、すべてが順調に運ぶという趣旨だが、こうした見解は間違っている。日本の事情や日本社会における靖国神社の意味を理解していないのではないかとも思える。
 小泉純一郎首相はこれまで何度、第二次世界大戦に関しておわびを述べてきただろう。この数年でも多くの日本の指導者が謝罪を繰り返している。あと何度謝れというのか。謝罪とは一度きりであるべきだ。
 寄稿では、日本が目指す「普通の国」への歩みと、周辺国との間にある落差が論じられている。「普通の国」への歩みについて、教授は日本が「憲法改正」「再軍備」「平和主義の停止」にただちに踏み込むかのように論じるが、日本での憲法改正のハードルは極めて高い。まずこの点で寄稿は誤っている。
 再軍備の話もナンセンスで、日本の防衛予算はむしろ引き下げられる傾向にある。平和主義についていえば、日本人の骨の髄にまで染みこんでいる。日本は絶対に侵略国家などになり得ない。
 教授は日本がドイツを手本にすべきだというが、これは不条理な話だ。冷戦時代に米ソがともに得た教訓を挙げると、ある国のモデルを別の国に移植することは不可能だ。米国は東南アジアで、ソ連はアフリカで似たようなことを試したが全部ダメだった。
 そもそもドイツは、戦後の分断国家であり、東西ドイツの国境がすなわちソ連軍との前線という状況だった。北大西洋条約機構(NATO)のメンバーだった西独は、他のNATO諸国との関係構築の上に戦後の発展を進めざるを得なかった。日本にはこうした状況はなかった。
 靖国神社が仮に地上から消え去ったところで、中国が他の問題で日本を問い詰めるのは間違いない。多くの国内矛盾を抱える中国にすれば、靖国問題は国内の注意を国外にそらして日本を指弾する格好の材料なのだ。次期首相が参拝を中止すれば状況が好転するとの見方はあまりに楽観的で、どうみても現実的とはいえない。
(08/21 22:11)


東京新聞>筆洗8/20
 51%。この数字の重さを政治家は知っている。過半数を意味するからだ。一人を選ぶ首長選や衆院選の小選挙区では、当落の分岐点になる▼小泉首相の靖国神社への参拝を受けた共同通信社の全国世論調査では、「参拝してよかった」との回答が51・5%と半数を超えた。「参拝すべきではなかった」は41・8%。選挙報道をまねると予想外の大差がついた▼靖国神社にA級戦犯が祭られたことについて、不快感を示した昭和天皇の発言メモが見つかった。各種の世論調査では参拝に反対・慎重な声が多くなっていた。七月上旬の同社の調査でも参拝反対論が52・3%と過半数を占めた。「民意」は一夜で逆転した感もある▼首相が自ら参拝の真意を説明したことが、功を奏したのかもしれない。「中国や韓国が不愉快と反発しているからやめろという意見はどうか」。首相はこう切り出した。肯定派の理由も「他国によって影響されるべきではない」が56・6%と一番多かった▼イラクへの自衛隊派遣でも世論は最初、反対論が多かったが、派遣が決まると肯定論が増え、やがて逆転するという今回と似た経過をたどった。首相は「人道復興支援」の大義を繰り返し訴え、派遣先は「非戦闘地域」であると主張し続けた▼51%の重みを私たちも知る必要がある。政治家は1%でも半数を超える支持を集めることができれば、自分の主張に自信を持つ。世論調査の回答の選択肢にはないが、既成事実の積み重ねに「仕方ない」と流されていないか、考えてみたい。後で悔やまないために。


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