青山繁晴さんからメールを頂きました(えひめ丸事件における森首相の対応)
2012.07.05 Thursday 19:09
くっくり
えひめ丸事件当時、携帯電話はすでに第三世代に入っていて、戸塚から総理官邸まで移動する間に不通になるとは、およそ考えにくかった時代です。
ぼくが長年、考えてきた真相は、やはり日本の高校生の乗る練習船が、事故とは言えアメリカの潜水艦によって沈没し、高校生たちが溺れているさなかに、それを軽視してゴルフクラブを振り続け、それをあとで「連絡が取れなくなっては困るから、動かず、待機していた」と誤魔化したということです。
また、たとえば佐々淳行さんが「あれは文部大臣の仕事であり、総理が仕事ぶりを問われる件ではない」という見解を示されています。その見解は、まさしく危機管理の専門家、と言うよりは危機管理という言葉自体を作りだした先駆者として尊重しますが、ぼくの私見としては、この一件については違うと考えます。
国家の希望である高校生たちが、同盟関係にあるアメリカ軍の軽挙によって死に至ったことは、通常の事故とは異なり、総理が「文部大臣の仕事だ」と座視することではありません。
森さんは、この事故をめぐるメディアの不当にして異常な騒ぎ方で辞任やむなしと決意したという趣旨を、その後に語られていますが、実際は、辞任によってむしろ真相解明を終わらせたと考えます。
一方で、森総理に対して「神の国発言」などと称して、その政治信条をめぐってメディアが愚かな排斥を行ったのも、事実です。朝日新聞をはじめ、いったい何を言っているのかと呆れるほかない馬鹿げたことでした。
当時、ぼくはもう共同通信政治部を辞めていましたが、日本のマスメディアの国家観や歴史観が国際社会の常識からして、いかに歪んでいるか、あらためて痛感し、深く憂いました。
しかし、そのことと、えひめ丸事件をめぐる時の総理の対応についての真相は別のことです。
国の宝である若者の生命や、日米同盟への影響などに鈍感な総理の挙動があったことについて、ただ辞任だけでことを曖昧にした、そのような政治を、次の総選挙後にするりと復活させるのでは、国民はこの3年間、なんのために民主党政治によって苦しんできたのか分からなくなります。
自民、民主を問わず、「哲学なき、覚悟なき、軽率さ」には、ぼくも、くっくりさんも少なからぬ国民も、もうこりごりではないでしょうか。
一事を持って万事を判断してはいけません。
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