外国人から見た日本と日本人(34)

2012.06.19 Tuesday 00:46
くっくり


「正論」2011年2月号「堕落した日本人、もっと堕落した中国人」(加治伸行氏との対談)より

 私は二十二年前に日本に留学してきましたが、論語の精神が今も受け継がれていることに、本当に驚きました。大きな書店に行けば中国古典のコーナーがあり、孔子や孟子の書に親しむ教養人もたくさんいます。ところが、びっくりしている私に向かって「石平さん、あなたの国は論語の本場じゃないか」と言う人がいる。中国にはもう、孔孟の教えの欠片も残っていないことを知らないんです。

 もっとも、日本人の中国に対する誤解と妄想は、ずっと昔から、江戸時代以前からあったのではないでしょうか。ある儒学者が日本橋から品川に引っ越して、「唐に二里近くなった」といって喜んだという江戸小咄がありますが、その頃からすでに、中国の実態を知らずに絶対視する風潮があったようですね。

■宋静●(スン・チンウェン)(●=雨かんむりに文)=中国人。1981年(昭和56年)生まれ。2007年(平成19年)留学で来日し、3年間滞在。
加藤恭子編「続・私は日本のここが好き!—外国人43人が深く語る」より

 教育を重視している日本は、人間の信頼関係を大切にする国だと私は考えています。

 ある日、靴下屋さんで靴下を買いました。翌日履いてみたら、片方の気づきにくい部分に穴が開いているのを発見しました。すぐに返品しようと思いましたが、もう履いてしまったことだし、商品のラベルも取ってしまいました。中国ではこんな場合、自分のせいで破れたわけではないということを説明して、お店の人に理解してもらうのはとても厄介なことです。自分のせいではないのに、返品できないこともよくあります。

 そうした中国での経験から、私はお店の人に説明しなければならないと思い、この穴がもともと開いていたのだということを日本語でどうやって説明したらよいか、とても悩みました。私は念のために、釈明に役に立つ日本語を調べたり、友達に相談をしたりして、日本ではどうなるのかと、ドキドキしながら靴下屋さんへもう一度行きました。

 お店に着いて、靴下を持ち出して店員さんに説明しようとしたら、店員さんが「あっ、お客様、これを買っていただきましたね。何かあったのでしょうか」と言いました。私は「はい、ちょっと、これ、穴が…」と話しかけたとたん、すると、説明するまでもなく、店員さんは「あっ、穴ですか、大変申し訳ございません。どうぞ、この辺で一つ選んでください。誠に申し訳ないです」と、すぐに事態を理解しました。私はわざわざ理由を説明しようと準備していましたが、それを駆使する必要がありませんでした。私はほっとしたと同時に、日本のサービスの良さを本当に実感しました。

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