外国人から見た日本と日本人(34)

2012.06.19 Tuesday 00:46
くっくり



 −−簡単、便利な生活が日本の固有の文化を害している、と

 イエリン 日本の生活のバックボーンにあった「職人」という存在も弱まっていますね。建築でも衣服でも料理でも、何でも職人がいて支えていました。しかし、手作りのものが、日本人の生活から消えていっている。職人の心という日本のスピリット(精神)がなくなったら、日本がどうなるのか心配です。だから、便利という言葉には落とし穴があると思っています。

 −−落とし穴ですか

 イエリン 例えば、今は100円ショップがどこにでもある。そこで安いものを買うと、最初のうちは「いいな」と思います。しかし、安物だからと大事に使わないなら、実は自分の心までも安いものにすることになるんです。逆に、5千円払って、作家の湯飲みを買ったとしましょう。最初は高いと思うかもしれない。だけど、いいものは大事にするし、作家の気持ちを感じながら使える。そして自分だけでなく次の世代の人へ渡し、50年でも100年でも使うことができる。お金のことを含め、簡単、便利ということばかり考えていたら、心の中がおかしくなってしまいます。

 −−どうすればいいでしょう

 イエリン 陶芸だけでなく漆芸などの工芸も厳しい状況です。私は日本の国民がまず、自分の地元を大事にしてほしいと思うのです。どこにでも工芸家はいます。湯飲み1つ、お皿1枚。彼らの手作り品を小さいものから、財布を開いて買ってください。そして使ってください。それが自分たちの文化のサポートになります。大事に使い、次世代に渡せるような地元の良いものを使うことで、環境も良くなるし、日本の国は良くなると思います。

 −−東日本大震災の発生以来、日本人には大きな喪失感があります。そうした中、日本文化の原点に立ち返ることは大事ですね

 イエリン やきものをはじめ、日本の文化には見事なものがたくさんあります。しかし、日本人はそれを忘れています。浮世絵や根付(印籠などのひもの先につけた小さな細工物)もそうでした。外国人に高く評価されてから、日本人が改めて見て、「これはいい」となりました。日本は島国ということもあって、日本の文化が日本の国にあることを当たり前と思っていますが、慣れすぎは実は危ないことと思います。失ってほしくないですね、手作りという日本の良さを。(聞き手 坂下芳樹)


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