カンボジアの紙幣に描かれた日本「ビーバップ!ハイヒール」より
2012.04.02 Monday 19:26
くっくり
「軍なら技術を持っている人間がいるはずです」と、カンボジア人通訳。
そこで田辺は、内戦が落ち着き、失業目前の兵士たちをスタッフに採用することにしたのだが……。
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彼らは集合時間は守らない。ヘルメットも被らない。安全靴も履かない。その日の作業が終わっていなくても、時間が来ると帰ってしまう。
日本の規則は元兵士たちには全く通じなかった。
期日が迫る中、焦る田辺……。
これまでも、海外でプロジェクトを成功させてきた田辺。
その経験から、こういう時はガツンとやるのが現場をまとめるコツだと思っていた。
最初は反発されても、終わる頃には感謝されてきた。
しかし、今回ばかりはそうも行かなかった。
雨季まであと3カ月となっても、一向に現場の雰囲気は変わらない。
それどころか、関係は悪化。辞める者まで出た。
そんな田辺を見かねて、通訳が声を掛けた。
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「田辺さん、あなたの厳しい口調や態度は、カンボジア人にとっては耐えられないです。どうしても、ポル・ポト時代の強制労働を思い出してしまいます」
元兵士たちの行動には理由があった。
遅刻するのは家に時計がないから。
ヘルメットや安全靴がなくても今まで大丈夫だったから。
田辺が理解していなかった、カンボジアの常識。
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それを知った彼は、自ら率先して一緒になってやってみせた。
言葉ではなく、直接技術を伝える道を選んだのだ。
また、なぜヘルメットが要るのか。なぜ遅刻がいけないのか。
規則を頭から押しつけるのではなく、その意味を丁寧に教えていった。
現場責任者でありながら、誰よりも身体を張って働く田辺。
彼の気持ちは、元兵士たちにも伝わった。
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