2012.03.17 Saturday 01:32
くっくり
二つめの日本人の美徳は、「これまでの伝統を引き継ぐこと、普通であることへの強い思い入れがあること」です。今回の日本滞在中、浅草へお花見に行きました。過去に10年間日本に住んでいたときのお花見とは、ずいぶん違うことに気づきました。今回のお花見客は、誰もが本当に感謝の気持ちをもっているのです。この苦しく、先行きのわからない不安なときであっても、季節がいつものように巡ってきて、桜の木は、今年も変わらず美しい花を咲かせているという事実を、本当に有り難く思っているのです。あの3月11日の大震災のあと初めて、日本の人々の顔には、ほっとしたような安堵の表情が浮かんでいました。
〈中略〉最後に、三つめは、日本は「なにかに立ち向かうとき、国家的な危機に直面したときにこそ、その強さを発揮するということ」です。1853年、米国から黒船でペリーがやってきたときが、日本の「素晴らしき孤立」時代の終焉(しゅうえん)でした。日本の近代化と産業化は、明治時代に大きく進みました。過去には経験したことのないほど急速な発展は、もし米国の黒船に象徴されるような外国からの圧力がなかったら、起こりえなかったでしょう。また、第二次世界大戦後、日本人は力を合わせて国の発展に尽くし、経済力にも力のある国になる一方で、国際社会の一員として認められるように、長年努めてきました。そして、1980年代に、見事にその目的を達成したのです。
だからこそ、私は信じているのです。日本はこの危機を乗り越えて、必ずもう一度、「絶望の灰から立ち上がる」と。阪神大震災のときとは異なり、地域を越えた国家の危機だからです。長期にわたり先行きがわからない放射能の問題や電力不足も懸念されます。日本経済全体に及ぼす影響も大きく、再建の道は険しいでしょう。しかしながら、数々の寄付活動、「自粛」を通じての支援など、日本人一人ひとりが貢献し、皆の心が一つになっている姿に、私は心を打たれます。
こうしてみると、冒頭の「やっと、東京で夜空に再び星がまたたいているのを見ることができる」というコメントが、とても意味のある言葉であることがしみじみとわかるのです。過去の輝かしき時代には忘れられていた、毎日の小さな幸せがいかに尊いものであったかを知るということになったからです。
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