【東日本大震災-11】外国人から見た日本と日本人(33)

2012.03.17 Saturday 01:32
くっくり



 そんな彼と暮らしているから、私も、母が守ってきたレストランの経営を続けることができるのですね。さりげなく助けてくれた主人に、感謝しています。

 私の母は、戦後の日本が、経済大国になる様子を目の当たりにし、そのすさまじい成長に感心していました。何がなんでもやり抜く国民性。日本で生まれ育った私も、地震当日の行進には驚きました。

 同じ方向を向いて、目的地へと、静かに歩く人々——なによりも、日本人らしい姿ではありませんか。

■ウルフガング・アンベルドロー=スイス人。1953年(昭和28年)生まれ。投資顧問会社(スイス)会長。日本滞在期間合計10年。
加藤恭子編「私は日本のここが好き!—特別版 親愛なる日本の友へ」より

 「やっと、東京で夜空に再び星がまたたいているのを見ることができる」

 震災後に東京で会った、ある日本人男性の言葉です。

 私は、東日本大震災の翌月、スイスから東京に出張し、多くの日本人と今回の震災について話しましたが、これが一番印象に残ったコメントでした。私はこの言葉こそ、日本人がどのようにこの前代未聞の大震災に向き合っていくのかを、端的に物語っていると感じたのです。

 確かに、東北地方で起こっている悲惨な状況を考えると、少し気楽すぎる言葉かもしれません。けれども、ここに日本人の持つ本質が三つ表れていると思うのです。

 一つめは、「どんなに自分のまわりが絶望的な境遇であっても、冷静であること。そして、新しい現実にすぐに適応する能力を持っていること」です。例えば、ある日本の建築家は、被災地支援に向かう際、外国人ジャーナリストに、放射線の影響が心配ではないのかと質問され、「心配していたら、何もできないですよ」と答えていました。パニックも起きない、自分勝手な人もいない。我慢できないようなことでも、我慢する。自分の境遇に不満を言うことよりも、常に他の人の助けになることを考える。日本人が持つこうした特質は、冷静であること、さらには、被災した東北地方を、震災前にもまして復興させるという共通の目的に向かうことを可能にしているのです。日本中がこの目標に向かって一つにまとまることで、近年、長い間失われていた共通の目的を見出したのです。また、世界中から日本や日本人に対する賞賛の声があがり、真の姿が見えにくいとされてきた日本人が、深く理解されるきっかけにもなりました。規律正しい行動、確固な意志、おだやかさ。これらの特質をもっているからこそ、この悲劇から必ず立ち直ることができると思うのです。

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