新日本建設に関する詔書

2012.01.03 Tuesday 15:18
くっくり



 幣原(引用者注:幣原喜重郎。当時の首相)がこれをマッカーサー司令官に示したら、こういう立派なことをなさったのは、感心すべきものであると非常に賞讃されて、そういうことなら全文を発表してほしいというマッカーサー司令官の強い希望があったので全文を掲げて、国民及び外国に示すことにしたのであります。

記者:
 そうしますと陛下、やはりご自身でご希望があったわけでございますか。

天皇:
 私もそれを目的として、あの宣言を考えたのです。

記者:
 陛下ご自身のお気持ちとしては、何も日本が戦争が終ったあとで、米国から民主主義だということで輸入される、そういうことではないと、もともと明治大帝の頃からそういう民主主義の大本、大綱があったんであるという……。

天皇:
 そして、日本の誇りを日本の国民が忘れると非常に具合が悪いと思いましたから。日本の国民が日本の誇りを忘れないように、ああいう立派な明治大帝のお考えがあったということを示すために、あれを発表することを私は希望したのです。

(『陛下、お尋ね申し上げます』、高橋紘+鈴木邦彦、徳間書店)

 私(1964年生まれ)は学校で、「第二次世界大戦が終わるまで天皇は『神様』とされていました。戦後、天皇が『人間宣言』をして、我々と同じ人間であることを表明しました」などと教わった覚えがあります。
 こういう人は多いんじゃないでしょうか。

 ところが、最初に書いたように、一般には「人間宣言」と呼ばれてはいるものの、「人間」「宣言」という文言は当詔書内には一切ないんですね。

 本来は、昭和天皇ご自身も仰っているように、神格等否定などは「二の問題」なのですね。

 「民主主義を採用したのは、明治大帝の思召しであり、決して輸入のものではない。日本の誇りを忘れず、米国その他諸外国に圧倒されず、新しい国づくりに頑張ろう」という、国民への呼び掛け、励ましが目的だったのです。

 そして、この詔書が発せられて約1か月半後の昭和21年2月19日、3万3000キロに及ぶ昭和天皇の全国御巡幸が始まったのでした。

 それにしても、昭和天皇というお方は本当にすごいというか、国内外の情勢を見る目に長けていたお方なんだなぁと。

 こんなことを申し上げるのは不敬だし語弊もあるかもしれませんが、少なくとも今のそのへんの政治家よりもよほど政治家らしいというか、素晴らしい政治感覚をお持ちの方だったんだなぁと、私は改めて感じ入りました。

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