2011.11.19 Saturday 02:42
くっくり
それを喉から手が出るほど欲しがっているのは、冬虫夏草を投機対象にする中国人だ。地方紙『昆明信息港』(2010年9月6日付)によると、「雲南省昆明市内では1kg46万元(約575万円)、40年前の1万倍の価格で取引されている。年間10万m2の草地が破壊され、縄張りを巡っての殺人事件が頻発する」有り様だ。
また、中国の人民解放軍がブータン側に掘っ立て小屋をつくっていることに気付いたのは、高地に暮らしヤクで生計を立てている遊牧民だった。夏は牧草を求め4000m以上の高地をさまよい、冬は寒さを逃れ、低地へ下りてくるのが遊牧民の生活だ。
ところが何年か前より、ヤクが山を下りてこない事態に直面。「探しに山深くへ入ると、見慣れない掘っ立て小屋が……」というのだ。ヤクのバターやチーズは貴重で、珍味であり高級加工品だ。毛も防寒服になる。人民解放軍に捕獲され、売られている可能性が高い。
両国の国境線の認識の違いを、「一歩も譲れない」と突っぱねた中国外交部による公式談話(2005年12月1日)は、「中国とブータンは良好かつ平等な友好関係を維持しており、協議を通じて、両国間の国境問題が早期に解決するものであることを支持する。双方の努力により、国境地区は平和で安寧な局面を維持している(後略)」だった。
翌2006年、ブータン政府は新国境線を発表。北部の突起部分が切り取られたラインで、国土面積は約4万6500km2(九州地方の約1・1倍)から約3万8400km2(九州地方の0・9倍強)へ、18%近くも縮小してしまった。
そして2009年8月より、中国は道路の延長工事を再開。「道路を敷設した地域までが、中国に組み込まれるのでは」との危機感から、ブータン政府は同年、4度も抗議を行なっているが、中国側は「チベットを含む西中国の経済発展のため」と居直ったという。
ブータン政府は、この数年「国境線を一刻も早く画定させる」ための会議を中国と重ねているが、国境(密)貿易の拡大と秘薬のスムーズな確保のためにも、中国が道路工事を止めるとは考えがたい。チベット仏教を信じるブータン国民にとって、山は精霊が住んでいるとされ、信仰の対象でもある。中国政府そして人民解放軍らによる蛮行を、単に「領土侵犯」という表現で片付けていいのだろうか?
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