2011.11.07 Monday 00:31
くっくり
米国議会も危機感をみせながらチベット問題を追及するようになった。上下両院と行政府とが共同で組織した「中国に関する議会・政府委員会」は、中国当局による広範な人権弾圧の実態をまとめた年次報告を先月発表したが、そのなかでもチベット問題にはとくに厳しい光を当てていた。
下院外交委員会はこのラントス人権委員会の公聴会の数時間前の3日午前、その年次報告を検討する大公聴会を開いていた。共和党のイリアナ・ロスレイティネン委員長が民主党の筆頭委員ハワード・バーマン議員とともに、中国当局の宗教の自由の圧迫、妊娠中絶の強制、民主活動家の逮捕、ネット言論の抑圧などを指摘して、「中国の弾圧は前年よりも悪化した」と非難していた。証人にはチベット亡命政府高官のブチュン・ツェリング氏もいて中国のチベット締めつけの強化を訴え、若い僧たちの焼身自殺をも報告していた。
バーマン議員までが「中国の政治の自由の抑圧、人権の弾圧はさらにひどくなっており、米国の対中政策にその事実を反映させるべきだ」と主張した。共和党若手のデービッド・リベラ議員にいたっては中国共産党指導部を「北京の殺戮(さつりく)者たち」とまで呼び、米国の価値観だけでなく人道主義の普遍性からも中国にもっと強硬な姿勢を取ることを提唱した。
そのうえでの午後のチベット問題に焦点をしぼった公聴会だったのだ。ここでも議長は民主党のジム・マクガバン議員が務め、「かつてチベット鎮圧策を担当した胡錦濤国家主席にまで抗議すべきだ」と論評するほどだった。ラントス人権委共同委員長のフランク・ウルフ議員は「チベットは本来、中国とは別の国家だった。その民族をいま中国当局は浄化しようとしている」と非難した。
米国の議会がこうして中国の人権状況へと立ち入って弾圧を糾弾するのは、外交政策にも相手国の民主主義度を反映させるという米国年来の特別な身の処し方のせいだろう。全世界で共通の普遍的課題の人権には積極的にかかわるという体質もあってのことだろうが、それにしてもいまの中国が国内の人権抑圧もさらに激しくして、チベット人に犠牲が増えているという現実は日本も無視はできないだろう。
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