中野剛志氏 NHK「視点・論点」TPP参加の是非&「とくダネ!」

2011.10.28 Friday 02:22
くっくり



 日本のような豊かな国が、食料の輸入を増やしたら、食料の値段はもっと上がり、発展途上国の貧しい人々はもっと苦しむのではないでしょうか。

 また、安い食料の輸入が増えたら、国内の農業や食品産業で競争が激化し、価格引き下げ競争が始まります。これは、デフレをもっとひどくすることになります。給料は下がり、失業者は増え、不況は深刻化するでしょう。安い製品の輸入は、一見、良いことのように見えますが、実は、デフレのときには、デフレをもっとひどくすることになるのです。

 第四に、TPPの問題点は、農業だけではありません。

 現在、TPPの交渉は農業以外にも、金融、投資、労働規制、衛生・環境、知的財産権、政府調達など、あわせて24もの分野があります。

 TPPは、日本の食料だけではなく、銀行、保険、雇用、食の安全、環境規制、医療サービスなど、国民生活のありとあらゆるものを、変えてしまいかねません。特に、アメリカは、日本の保険制度をアメリカの保険会社に有利なように変えることを求めてきています。

 実際、アメリカは昨年、韓国との自由貿易協定に合意しましたが、この自由貿易協定の結果、韓国は、例えば、共済保険を三年以内に解体することになりましたし、自動車の安全基準や環境規制についても、アメリカ企業に有利になるように変えなくてはなりません。

 このように、TPPに参加すると、自分たちの国の基準によって、国民の健康や安全を守ることができなくなってしまうのです。

 最後に、政府の一部に、「まずは、TPPの交渉に参加してみて、どうしても譲れない部分があるなら、交渉から離脱すればよい」と言って、TPPの交渉参加を促す声があります。

 しかし、TPPへの参加が結婚ならば、TPPの交渉参加とは、婚約のようなものです。交渉参加とは、参加を前提としたお付き合いなのです。ですから、いったん多国間交渉に参加して、そこから離脱したという国の例は、ほとんどありません。

 特にTPPは、先ほど申し上げましたように、実質的に日米協定です。したがって、もし日本がいったん交渉に参加しながら、途中で抜けたら、アメリカは裏切られたかっこうになり、日米関係は非常に悪化します。アメリカ以外の国々からも信頼を失います。

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