保守系識者諸氏が見た震災(2)

2011.06.18 Saturday 00:56
くっくり


 ひとたび重大事が起きると、たちまち多くの国民の心が一つになる。一つになった人々の心は、おのずと「公」を志向する。公に向けて結集された多くの人たちの思いは、必ずや予想外の力を示すだろう。
 では、世界中の人々が注目し、驚嘆する、こうした国民的な心は一体何故、起こるのか。
 これは、日本人の心の奥底に、普段は自覚されない、公共の秩序に対する不抜の信頼感が根づいているためだろう。
 もし「公」への信頼そのものが揺らぎやすければ、国家や社会が危機的な事態に陥って、その事態が深刻であればあるほど、人々がひたすら私利私欲に走る結果になるのは、火を見るよりも明らかだ。
 わが国の場合はその逆だ。
 いつもは公共への関心すら疑わしいような人物であっても、いざという時には、その危機が深ければ深いほど、多くの国民が「義勇公に奉じ」る姿勢に転じる。その背景に、容易には動揺しない公への信頼があると考えるほかないだろう。
 それは、政府が立派だったとか、官僚が優れているという話では、もちろんない。そうではなくて、歴史的に国民の公への信頼の「究極の受け皿」となってきた存在は、天皇だ。
 長い歳月、わが国は天皇を秩序の中軸とすることで、国家や社会そのものの転覆や断絶を経験しないで、これまで経過してきた。
 古来以来、数多くの災害や内乱などくぐり抜けながら、天皇を頂点とする公共の秩序の基底はどこまでも維持しつつ、人々が心をあわせて必ず復興をなしとげ、復興後の飛躍も体験してきた。
 首都が壊滅状態に陥り、15万人に達する死者・行方不明者を出した関東大震災からも、雄々しく立ち上がった。
 そうした国民的経験が、人々の公への信頼を支えている。だから日本人は「危機」に強いのだ。】
<『ジャパニズム』創刊号 高森明勅「すでに曙光は遠く見えはじめている」>

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 最後の高森明勅さんの論説は『ジャパニズム』創刊号からの引用ですが、これ、他の本を買おうとしていた時にたまたまアマゾンで見つけたので試しに買ってみました。

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