保守系識者諸氏が見た震災(2)

2011.06.18 Saturday 00:56
くっくり


 原発は「鬼っ子」ではない。私たちが祝福して産んだ子供である。福島原発が無残な姿を晒しているのは原発に問題があるのではなく、それを運転してきた私たちの社会に大きな欠陥があったのだ。
 「得はすれども、ことあれば捨てる」という貧弱な精神に、「右顧左眄(うこさべん)」を日常の行動規範にする社会に原発の恩恵を受けさせることはできないと福島原発は叫びたいのだと思う。】
<『WiLL』11年6月号 武田邦彦「驚くべき原子力村の常識」>

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【ある自動車メーカーの社員たちは、震災発生2日後に支援物資を集めてトラックに積んだ。東北自動車道の通行許可を警察にもらいに行ったが不許可。それでも社長は「あきらめるな」と社員たちを督励し、トラックは許可が得られないまま、東北自動車道の料金所へ向かった。何が起こったか。理由を聞いた料金所の係員たちは、ゲートを開いてくれたのだ。「早くその物資を東北に届けてあげてください!」と。
 社員と係員の対応は胸を打つ。一方、政府はそのあと数日間、かたくなに東北自動車道に緊急車両以外の通行を認めなかった。ガソリン輸送のタンクローリーさえ通さず、パニックに陥った被災者は給油待ちの長い列をつくった。その時に東北自動車道を通った関係者の言。「道路は空っぽで、時折、緊急車両に会うだけでした」と。政府は、震災直後の決定的時期に、たいした考えもなく、東北への大動脈を閉鎖したのだ。
 このエピソードは多くの意味を持つ。要するに、今の政府は安直に命令を出しすぎるのだ。「自分たちが全てを決定する」という意識が過剰なのではないか。総理大臣も官房長官も、学生時代から反体制の側にいた。反体制の人々は「権力を奪取して正しく行使する」ことを目標とする。
 念願の権力を得て、一挙手一投足が注目され、ひと声で国が動くようになった。しかし、権力には責任が伴う。過去のどの年よりも緊急問題が山積しているというのに、国会は延長しないという。野党に追及の場を与えないためだろうが、国への責任はどうなるのか。(中略)
 日本人の資質は素晴らしい。国の指導者は頼りなくても、現場の人々の対応能力は高い。行動も早い。被災地で瓦礫撤去が確実に進行しているのは、作業が現場に任されているからだ。世界中のどこも真似(まね)のできないスピードで進んでいる。

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