2006.07.18 Tuesday 01:26
くっくり
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政府内が常に一枚岩だったわけではない。早期の妥協を模索する動きもあった。とりわけ12日に中国とロシアが非難決議案を提示して以降、外務官僚は「落としどころ」を探ろうとはやる。
14日、麻生氏の堪忍袋の緒が切れた。大臣室。
「こちらが突っ張ったから、中露は議長声明から非難決議に譲歩したんだろ。あんたらは優秀かもしれないが、けんかの仕方を知らないんじゃないか。成功するまで報告はいらない」
幹部を叱責(しっせき)すると姿を消した。背水の陣を促したのだ。
15日午後、安倍氏の電話が鳴った。国連日本政府代表部の北岡伸一次席大使だった。
「英仏両国が7章を削除した妥協案を提示しています。国際社会に強いメッセージを発する内容で、中国も賛同の意を示しています。むしろ日本がまとめ役として…」
安倍氏は「こちらはすでに第7章を40条(暫定措置)に限定するところまで譲歩しているではないか」と不快感をあらわにした。電話を切ると、ため息まじりにつぶやいた。「日本が降りるにしても最後の最後。ギリギリまで妥協に応じるそぶりすら見せては駄目なのに、なぜ分からない」
この一件は外務省にも伝わった。谷内正太郎事務次官は、即座に外務省飯倉公館に幹部を非常招集し、「最後まで日本政府は基本方針を貫く。最終的に妥協に応じるかどうかは閣僚レベルの政治判断だ」との旨を徹底させるように指示した。
ニューヨークで14日夕(日本時間15日午後)、安保理常任理事国の非公式協議後に、日本が再び態度を硬化させたのはこのためだった。中国の王大使は「一部の国が過剰反応している」と日本を批判した。
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■小泉首相「最後まで突っ走れ」
安保理での駆け引きが続く中、小泉純一郎首相が中東へ出発する直前に安倍、麻生両氏に出した指示はただ一つだった。
「最後まで突っ張れ。決して引くな」
ブッシュ米大統領のホワイトハウスへの指示も「小泉を困らせるな」のひと言だったと伝えられる。非難決議採択にこぎつけた最大の要因は、小泉首相とブッシュ大統領が築き上げた「日米の絆(きずな)」だったといえる。
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