2006.07.18 Tuesday 01:26
くっくり
「ミサイル発射は日本の安全保障にとり直接の脅威だ」
大島賢三国連大使は制裁決議案を提示した7日、安保理非公式協議でこう明言した。日本にとり妥協の余地がないことを内外に宣言したのだ。国連外交筋は「『直接の脅威』という強い表現を日本の外交官から聞いたのは初めて。日本の覚悟を感じた」と振り返る。
当初、安保理のメッセージとしては最も位置づけが低い報道声明による解決を提案した中国。それがやがて議長声明へと譲歩し、中朝協議が不調に終わるのを見越すや、ロシアと非難決議案の提示に踏み切った。
このとき、中国の王光亜国連大使は「制裁決議案が採決されるなら、(本国から)拒否権行使の指示を受けている」。拒否権行使をちらつかせるのは中国のいわば常套(じょうとう)手段。だが、「ここまで露骨に明言するのは異例だ」(欧州外交筋)と周囲を驚かせた。それは裏を返せば、日本の強い姿勢を目の当たりにした「中国の焦り」(国連外交筋)だともみられた。
◇
「これなら全会一致で採択できる。日本の勝利だ」
16日未明、ハドリー米大統領補佐官は、安倍晋三官房長官に電話をかけ、国連憲章7章を削除した非難決議案への賛同を求めた。
「十分に法的拘束力はある。米国は採決の際、拘束力があることを明言する考えだ」。念を押すハドリー氏。非難決議案の「国際平和と安全の維持への安保理の責任」という表現に加え、採択にあたり口頭によって決議の拘束力を確認すると説明した。安倍氏は提案に理解を示したものの、最終的な判断は麻生太郎外相とライス米国務長官の電話会談に委ねることで合意した。
その麻生氏は15日深夜、外務省幹部から妥協案をのむかどうか決断を迫られていた。「日本以外の14カ国はすべて賛成です」と説明する幹部。麻生氏は「7章にかわる表現で本当に制裁が担保されるのか。中国を含めた14カ国が本当に賛成するのか。もう一度確認を取ってから連絡をくれ」と念を押した。
「日本の国家としての意思を問われている。中国の拒否権行使もいとわない」と考える麻生、安倍両氏にとり「制裁」の根拠となる7章の削除は苦渋の決断だった。
ハドリー氏との電話会談を終えた安倍氏は即座に麻生氏に電話をかけた。「厳しい選択ですが、よくここまでこられたとも言えます。最後は麻生さんの判断にお任せします…」。麻生氏は腹を固め、秘書官に言った。「ライス氏と話をする。電話をつないでくれ」
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