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- 2006/08/25 03:11 PM
- 上の本は下の論争のほぼパクリです
2005年初頭頃
中国の台頭、あるいは東アジア共同体をめぐる議論が国内外で加熱してきた。『フォーリン・アフェアーズ』最新号では、フランシス・フクヤマとエリザベス・エコノミーが関連論文を掲載し、国内オピニオン誌も最新号で一斉にこの問題を取り上げた。
極めつけは『フォーリン・アフェアーズ』と並んで世界的な権威を持つ外交専門誌『フォーリン・ポリシー』(カーネギー国際平和財団発行)の最新号(2005年1月2月号)である。「クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ(巨人達の衝突)」と題するこの論文は、米国、そして台頭する中国のふたつのタイタンが衝突する運命にあるのかどうかをめぐって、米国地政学のタイタンであるズビグニュー・ブレジンスキーとジョン・ミアシャイアーが直接対決するという二重の衝突が見出せる。
ひよわな花である日本では、オピニオン誌でもインターネット上でも中国をめぐる感情論が飛び交っている。そのほとんどが冷静さ、冷徹さを欠いたものと言わざるを得ない。リアリズムに関する議論がアジアで最も遅れている日本で、抵抗があろうあろうことを承知の上で「クラッシュ・オブ・ザ・タイタンズ」の世界を描いてみたい。
■トライラテラリストの主張
ブレジンスキーは米中の衝突は避けられると説く。その理由として、中国首脳が軍事的に米国に挑戦しようとは思っておらず、中国はあくまでも経済発展と大国としての仲間入りを目指すものであり、対立的な外交政策をとれば、経済成長を崩壊させ、中国共産党を脅かすことになるため、特に2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博に向けては慎重な外交政策が優勢になるだろうとしている。
確かに、中国の地域における役割が増し、その勢力範囲が発展すれば必然的に摩擦が生じる。また、米国のパワーが後退する可能性と日本の影響力の免れがたい衰退は、中国の地域における優越性を高めることになるものの、中国は米国に対抗できる軍事力は有しておらず、最小限の戦争抑止力程度でしかない。米国による封鎖によって石油の供給が止まれば、中国経済は麻痺することになるために衝突するとは思えないとした。
明らかに中国はインターナショナル・システムに同化しており、中国の影響力の慎重な拡がりこそがグローバルな優越性実現に向けた最も確かな道のりであると中国首脳は理解しているとブレジンスキーは見ている。
トライラテラル・コミッションの創設に関与した国際派ブレジンスキーならでは議論が繰り広げられ、日本政官財界のグローバリストも大喜びしそうな内容となっている。中国に対する「政冷経熱」は日本だけの現象ではないらしい。
■ミアシャイマーのゴジラ論
これに対して、その究極のゴールを世界のパワー・シェアを最大化し、システムを支配し、覇権を目指す攻撃的な存在として大国を位置付けるジョン・ミアシャイマーは、自らのオフェンシブ・リアリズムを中国に適応させ、中国は平和的に台頭することができないと断言する。そして、中国が来るべき2〜30年の間に劇的な経済成長を続けるならば、米国と中国は戦争への可能性をともなう程の緊張した安全保障上のライバルになると説く。その時、インド、日本、シンガポール、韓国、ロシア、ヴェトナムを含めた大部分の中国の隣国は中国のパワーを封じ込めるために米国と結び付くだろうと予測する。
そして、ブレジンスキーに対して一撃を加えるのである。インターナショナル・システムにおけるメイン・アクターはアナーキーの中に存在する国家であり、このシステムで大国が生き残る最良の方法は、潜在的ライバルと比較してできるだけ強力であることだ。国家が強力であればあるほど、他の国家が攻撃を仕掛ける可能性は少なくなるのだと言い切る。
追い打ちをかけるように、「なぜ、我々は中国が米国と異なる行動をとることを期待する?」「中国人は、西洋人と比べて、より理にかなっていて、より良心的で、より国家主義的ではなく、彼らの生き残りにも関心がないのか?」と冷徹に疑問を投げかけ、そんなことはありえないとしながら、「中国が米国と同じやり方で、覇権を目指すに決まっているではないか。」と断じるのである。
そして、中国がアジアを支配しようとすれば、米国の政策担当者がどのように反応するかは、明らかである。米国はライバルを寛大に扱うことはしないのだ。従って、米国は中国を封じ込め、最終的にはアジアを支配することがもはやできないぐらいにまでにパワーを弱めようとするだろう。米国は冷戦時代にソ連にふるまった同じ方法で中国に対処する可能性があるとした。
また、「中国首脳と中国人は過去一世紀に何があったかについて覚えている。日本は強力で中国は弱かった時のことだ」とした上で、名言が飛び出してくる。「国際政治のアナーキーな世界では、バンビちゃんであるより、ゴジラでいるほうがいいのだ」と。
■圧倒するミアシャイマー
誤解無きように付け加えれば、ミアシャイマーはゴジラのように中国が暴れ回り、他のアジアの国を征服する可能性は低いと見ている。
そして、ブレジンスキーへの攻撃の手は緩めない。経済分野における相互依存関係に対して、戦前のドイツと日本の事例を示しながら、経済に損害を与える時でさえ、時には経済的な考慮を無視し、かつ戦争を引き起こす要因が存在すると指摘しながら、ゴジラとなった中国はアジアから米国人を追い出し、地域を支配することになるのだと語る。
これに対して、ブレジンスキーは特に日本から米国を追い出すことが可能かどうかを指摘しながら、たとえ追い出すことができても、中国が強力かつ国家主義的で、核武装した日本が待ちかまえており、中国はそれを望まないと反論する。
しかし、ミアシャイマーは汚くて危険なビジネスとしての国際政治の世界で、ミアシャイマー自身が描く情勢はそんなかわいいものではないと締めくくるのである。
詳しくは原文を見ていただきたいが、ミアシャイマーが理論面でブレジンスキーを圧倒していることがわかる。これはブレジンスキーと違ってビジネスに毒されず、理想やイデオロギーや白人優位主義的な希望的観測を排除し、リアリストに徹する姿勢から生まれ出るものだろう。
しかし、ライジング・チャイナが将来の米国にとっての地政学的な脅威となることは、ふたりに共通しているのである
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